米Milkadamiaが2Dプリントしたシート状のオーツミルクを発表、包装廃棄物を94%削減

植物性ミルクの開発・製造を手掛ける米国のMilkadamiaが、2Dプリントしたシート状のオーツミルク製品を米国市場で発売する計画を発表しました。コロラド州デンバーで今週開催された見本市「Newtopia Now」で披露しています。

家にブレンダーがなくても問題なし


新製品の「Flat Pack Organic Oat Milk」は、オーツミルクペーストを超軽量のシート状に成形する独自の2Dプリント技術で製造されたもの。この手法により、包装廃棄物を94%、製品重量を85%と大幅に削減することが可能になりました。

作り方は、シートに水を加えて30秒間ブレンダーでかき混ぜる、またはブレンダーがなければ冷蔵庫で一晩水に浸しておくだけ。1パックはシート8枚入りで、シート1枚あたり8オンス(約230g)のオーツミルクを作ることができます。

Milkadamiaは、オーストラリアで小さなマカダミアナッツ農園を営んでいた一家が2015年に立ち上げたブランド。翌年の米国事業開始に伴い、本社をイリノイ州に移転しました。

リジェネラティブ農業(環境再生型農業)と持続可能性を理念に掲げた事業展開を行い、既存のマカダミアミルクシリーズは、Whole Foods Market、Sprouts Farmers Market、Targetなどの主要小売店やアマゾンでも販売されています。

製造・消費の「ムダ」をなくす製品づくり


Milkadamiaによると、新製品のデザインは「プレサイクル」運動の一環とのこと。プレサイクルとは、消費者による使用後のリサイクルのみに頼るのではなく、製造段階で廃棄物を削減し、ごみにならない製品を作るメーカー側の取り組みをいいます。

製品重量を軽量化することにより、輸送時の負荷を抑えコストと排出量の削減に寄与。また、シートの状態では長期保存がきき、その時々に必要な量を正確に作ることができるため無駄なく使え、フードロス削減にもつながります。

「Flat Pack Organic Oat Milk」は、店頭およびオンラインで2025年1月の発売を予定。続けて、アーモンドミルク、マカダミアミルクなどの発売も計画しています。

シート状のオーツミルク製品が米国で販売されるのはこれが初めてになりそうですが、世界初ではありません。

ドイツの植物性食品メーカーVeganz Groupは、昨年7月に同様の製品「Mililk」の製造をスタートし、今年の4月よりドイツでスーパーを展開するREWE Groupへ供給。

「Food For Future」および「REWE Bio」のブランド名で、系列店舗を含めると国内の5,700店以上で販売されています。先月には生産能力を拡大させ、米国のファミリーオフィスからの追加資金も確保しました。

参考記事:
Milkadamia Launches First 2D-Printed Flat Pack Oat Milk on US Market
Milkadamia Launches Flat Pack Oat Milk, Cuts Waste By 94 Percent

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