スペインのElianが、大豆タンパク質工場の拡張のため政府系ファンドから70億円超を調達

スペインの国営開発金融機関であるCOFIDESが、アグリビジネス企業Elianに4,000万ユーロ(約71億7,000万円)を投じて少数株式を取得しました。この資金は、バルセロナ港にある同社の大豆タンパク質工場の拡張に充てられます。
2028年に工場の拡張完了を見込む
今回の投資は、スペインの「復興・変革・レジリエンス計画(PRTR)」の補足規定に基づいて設立され、COFIDESが運用する投資ファンド、FOCOを通じて行われました。Elianを傘下に持つ、米国・コロラド州の穀物商社Viserion Internationalも共同投資家として参画しています。
COFIDESのMiguel Tiana事務局長は、「Elianは、植物性タンパク質という戦略分野において、欧州のサプライチェーン強化に貢献し得る革新的な産業プロジェクトを構築してきた。FOCOを通じて、持続可能性、技術、そして長期的なビジョンを兼ね備えた企業の成長を支援するとともに、スペイン経済の競争力強化にも貢献していきたい」とコメントしています。
本件の発表は、Elianのバルセロナ工場にて、カタルーニャ州のMiquel Sàmper企業・労働大臣の同席のもと行われました。
Elianは昨年末にこの工場の拡張計画を打ち出し、2028年初頭の完了を見込んでいます。このプロジェクトにより、敷地面積は9万平方メートルに拡大し、タンパク質関連製品の年間生産能力が、現在の77万トン規模から10万トン以上増強されます。
当該施設は、2024年に完了した取引を通じてカーギルから取得したもので、タンパク質濃縮物やテクスチャード植物性タンパク質(TVP)、大豆粉、大豆油、大豆レシチンを製造する工場へと転換されました。
EUのタンパク質自給率引き上げに寄与
Elianはまた、カタルーニャ州とアラゴン州において非遺伝子組み換え大豆の栽培を推進しており、2026年には3,000ヘクタールでの栽培を目指しています。
同社は今回の事業を、欧州委員会が初の「畜産戦略(EU Livestock Strategy)」と併せて先日発表した「タンパク質行動計画(Protein Action Plan)」に関連付けました。
この計画において唯一数値化された目標は、家畜飼料に使われるEU産タンパク質の割合を(2025年の25.8%から)2035年までに35%に引き上げるというもの。ただし、人間が直接消費するタンパク質については同様の拘束力のある目標が設定されておらず、この点はGFI Europeや欧州ベジタリアン連合(EVU)から批判も受けています。
Elianのバルセロナ工場は、ヨーロッパ大陸における同種の統合型インフラとしてはわずか3つしかないうちの1つであり、米国、南米、中国からの輸入への依存度を低減するための戦略的資産となっています。
創業者でCEOを務めるAndrés Martínは、「今回の投資により、欧州における植物性タンパク質の自給体制を主導するという当社のロードマップを加速させられる。それによって食品業界は、世界の供給市場の変動から守られ、トレーサビリティが確保された、持続可能性の極めて高い地場の供給源を確保できるようになるだろう」と話しています。
参考記事:
Elian | LinkedIn
Elian Secures €40M From Spanish State Investor to Expand Barcelona Soy Protein Plant
Spain’s Elian Raises $46M From Govt Fund to Safeguard EU’s Plant Protein Sovereignty
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