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プロテイン飲料の人気が高まる中、Solar Foodsが空気由来の微生物タンパク質を用いた製品コンセプトを発表

フィンランドのフードテック企業Solar Foodsが、空気由来のタンパク質を原料とする新しいコンセプト製品「Solein Protein Drink」を発表しました。動物性や植物性のタンパク質に比べて、天然由来の糖分が大幅に少ないのが特長です。

米国の高タンパク飲料需要に応える


空気中のCO₂などから作られる微生物タンパク質を開発するSolar Foodsはこれまで、プロテインパウダー、マヨネーズ、クリームといった数々の試作品を発表してきました。

今回の新製品開発は、最も急速に成長しているRTD(蓋を開けてすぐに飲める製品形態)のプロテイン飲料市場への参入を目指したもの。先週サンフランシスコで開催されたイベント「Future Food-Tech」で披露されました。

250mLあたり12~21gのタンパク質を含む一方、糖分と炭水化物の含有量が非常に少なく、「無限のフレーバーの組み合わせ」が可能とのこと。

Solar Foodsが一例として発表したマンゴー風味のドリンクは、タンパク質12g、脂質4g、食物繊維2gを含み、カロリーは90kcal。同社の微生物タンパク質「Solein」に、マンゴーピューレ、菜種油、香料、安定剤、甘味料、塩が配合されています。

Innova Market Insightsによると、2020〜24年にかけて、高タンパク飲料の市場規模は122%拡大しました。牽引力となっているのは、筋肉増強への関心の高まりと、健康を意識するZ世代の天然成分への需要増です。

米国では、消費者の約5人に1人がプロテイン強化食品・飲料からタンパク質摂取量の大部分を賄っており、それに応じてスターバックスなどの企業が、ラテからフレーバーミルク、ポケットサイズのショットまで、各種のプロテイン強化飲料を発売しています。

飲料用途に粉末の溶けやすさを改善


Solein」は、CO₂、水素、酸素などのガスを微生物の栄養源として作られる粉末状の原料。濃い黄色をしていますが味や匂いに癖はなく、タンパク質80%で、そのうち必須アミノ酸が43%、分岐鎖アミノ酸(BCAA)が20%を占めます。

多くの動物性タンパク質と異なり、コレステロールや飽和脂肪酸はゼロ。その一方で、多くの植物性タンパク質とも異なり、鉄分とビタミンB12が豊富に含まれています。

そして動物性・植物性いずれのタンパク質と比べても、環境負荷はごくわずか。生産に必要な主原料はCO₂と再生可能エネルギーであり、排出量は従来の食肉生産のわずか1%、植物性タンパク質生産の20%に相当します。Solar Foodsの試算では、牛乳1kgを「Solein」に置き換えることで、CO₂換算で20kgの排出量を削減できるとされています。

発酵プロセスは農地や大量の水を必要とせず、農業サイクルに左右されることなく工業生産規模に拡大できるため、年間を通して安定した供給が可能で、気候変動にも強い原料です。

同社のGodert Zijlstraは、「プロテイン飲料はパフォーマンス向上の目的だけでなく、食事の代替や、間食としても人気が高まっている。通常は乳製品由来のホエイが使われているが、アニマルフリーの代替品に対する消費者需要が高まっており、高品質ホエイの供給不足も問題だ」と指摘。

「Solein」は「マイルドな味と優れた機能性により、使いやすさの点でホエイに匹敵し、さらに持続可能性、価格と品質の安定性といった利点も兼ね備えているため、健康・パフォーマンス栄養カテゴリーの製品にとって優れたタンパク源になる」と述べました。

さらに「Solein」は、プロテイン飲料の製造によく用いられるUHT(超高温加熱処理)処理に適しており、この処理を経ることで製品の常温保存が可能に。UHT処理によって最終製品の味や香りは変化しないため、多くの乳製品由来のタンパク質が抱える課題を克服できるとしています。

参考記事:
As Protein Drinks Take Off, Solar Foods Unveils A Version Made with CO2
Solar Foods targets US$10 billion RTD market with low-sugar Solein protein drink | PPTI News
“Air-grown” protein: Solar Foods reveals next steps at Future Food-Tech San Francisco 2026

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