ドイツのLorymaが、ベーキング用途で活躍する小麦ベースの代替卵原料を発表

ドイツ南西部を拠点とする小麦を使用した植物性食品のパイオニア企業Lorymaが、動物由来原料、人工乳化剤、着色料、香料、保存料を一切使用しない、最先端の機能性原料「Lory Stab」を発表

小麦をベースとしたタンパク質原料「Lory」シリーズのポートフォリオを拡大しました。

ベーカリー製品に最適な代替卵原料


Lory Stabは、ベーキング用途において卵と牛乳の持つ機能性を完全に再現するとされており、マフィン、スポンジケーキ、ガトーショコラなどさまざまな焼き菓子に使用可能。

これを使って焼き上げた製品は、伝統的な焼き菓子のような多孔構造に空気を含んだ、軽やかな食感に仕上がります。

同社は、先月末ドイツ・フランクフルトで開かれた展示会Food Ingredients Europe(Fi Europe)に出展し、Lory Stabを使って焼き上げたマフィンの試食提供を実施。植物由来の原料のみを使用していると知った来場者からは、驚きの声が上がったといいます。

小麦は栄養価や持続可能性に優れたタンパク源


Crespel & Deiters Groupに属する企業として40年以上の歴史を持つLorymaは、2020年に小麦タンパク質をベースにした鶏胸肉を開発。

昨年6月には、成長した筋肉の繊維をユニークな構造化技術で模倣した「Lory Tex Chunks」からなるヴィーガン鶏モモ肉を発表しました。さらに、小麦でコーティングし、揚げるとパリッとした食感を生み出す鶏皮も開発しています。

vegconomist』の報道によると、植物由来原料の需要増加に対応するため、米国に子会社設立を予定しているとのこと。

同社代表のHenrik Hetzerは、アレルギーや食事上の理由で小麦を避ける人々からの懸念に応え、「グルテン不耐症やセリアック病* は深刻な疾患だが、罹患者は世界人口の約1%にすぎず、それ以外の人にとっては全く危険はない。それどころか、小麦は貴重な栄養素とミネラルを含む、高品質の植物性タンパク源だ」と語っています。

また、持続可能性の観点でも、小麦は地場で入手可能なため輸送距離が短く済み、輸送による排出を最小限に抑えることができるとしています。

* 小麦や大麦に含まれるタンパク質のグルテンに対する、遺伝性の自己免疫疾患。セリアック病を有する人がグルテンを摂取すると、腸の粘膜に炎症を起こし、倦怠感や下痢などの症状が出る。

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