米国の代替プロテイン企業のうち66%で、2021年以降に売上が増加中 —米CRBレポート

飲食業界向けのコンサルティングサービス提供などを行う米CRBが、代替プロテイン業界の動向を分析したレポートを発表。米国の代替プロテイン企業のうち66%で、2021年以降の売り上げが増加していることが明らかとなりました。

代替プロテインは新興産業から成熟市場へ


スタートアップ企業から消費財大手まで、米国の同業界を牽引する150社が調査に参加。自社のビジネスに最も影響を及ぼす要素についてのアンケートでは、持続可能性労働力の確保インフレと回答しました。次いで、製品需要への適応、サプライチェーン上の制約、動物性プロテインと同等の価格の実現を挙げています。

CRBでは、代替プロテインはもはや新興産業ではなく、「成長を重視する成熟市場であり、生産面、消費者へのアピールの面で、伝統的な食品企業と同じ目標を見据えている」と評価しています。

また、同業界の「今後の進歩が期待される点」として、生産コストの低下、設備の改良、スケールアップといった、成熟市場で重視されるような課題を指摘しました。


以下、製品カテゴリー別に業界動向を見ていきます。

植物性代替肉:食肉や乳製品業界のロビー団体に影響された否定的な報道が多く見られるにもかかわらず、米国の植物性代替肉メーカーは成功を収めており、現実的な目標に向かって歩みを進めている。

培養肉:生産コストの低下と生産量の増加に伴い、消費者にとってより現実的な選択肢となりつつある。業界内では、今後数年以内の製品発売に向けて、従来の食肉と同等の価格を実現できると楽観視する向きもあるが、現在の技術で価格目標が達成可能かについてはまだ疑問の余地がある

微生物由来(発酵ベース)食品:自社製品の原料に使用することで持続可能性への配慮を謳えることから、B2B市場で注目を集めている。中でも菌糸体ベースのバイオマス発酵は勢いを増しており、半数近くのプレーヤーが今後6年間で大きな成長を見込んでいる。

植物性乳製品:各社が原料よりも製品形態やパッケージに注力し、成長を続けている。調査対象のメーカーのうち40%が、2年以内に大規模な設備投資を計画しており、ほぼ半数が新しい加工設備への投資を行っている。

2013年、世界初となる培養ハンバーグが発表されたときの生産コストは、約32万5,000ドル(キロ単価230万ドル=約3億円)。その頃と比較すると急速にコストが低下してきてはいるものの、現在でも最大の課題と見られているようです。さらなる技術の進展と生産規模の拡大で、従来製品の価格に近づけることが期待されます。

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