オランダのパイオニア企業Mosa Meat、培養肉企業として初のB Corp認証を取得
オランダで培養肉開発を牽引してきたMosa Meatが、培養肉企業で世界初となるB Corp(B Corporation)認証を取得したことを発表しました。
IBMでも2項目でポイントを獲得
B Corp認証とは、米国の非営利団体B Labが運営する、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる国際認証。認証を受けるためには、環境への取り組みやガバナンス、労働者の福祉、サプライチェーンの透明性まで、さまざまな基準に基づいた評価が行われます。
1年以上に及ぶ詳細なレビューの結果、Mosa Meatは2つのImpact Business Model(IBM)*1 でポイントを獲得。水やエネルギーなどの資源利用を節約できる製品を評価する「Resource Conservation」、そして企業の意思決定において株主を含めた利害関係者全員に配慮する能力を評価する「Mission Locked」です。
代替プロテイン界をリードするMosa Meatにとって今回の認証取得は、同社が掲げる「世界のフードシステムを根本から再構築する」という使命に基づいたもの。2021年に投資顧問となった、俳優で環境保護活動家のレオナルド・ディカプリオは、今回の発表を受け「多くの培養肉企業がこれに続くことを願っている」と述べました。
世界各国で認可申請を目指す
Mosa Meatは、2013年に世界初の培養ハンバーグを発表したMark Postが2016年に設立しました。まず牛肉に焦点を当て、昨年培地にウシ胎児血清(FBS)を使わない製法を確立。今年5月に開設した世界最大規模の培養肉工場では100%再生可能エネルギーを使用しており、大規模生産による生産コスト削減と、市場参入に向けた戦略的パートナーシップの構築に取り組んでいます。
昨年12月には、牛肉が気候変動に与える影響の解決策として培養肉セクターの成長を支援するよう、各国政府に対して要請を行いました。「気候変動に関連した公共政策の目標と、革新的なソリューションを推進する規制制度との間に一貫性を持たせるためには、さらなる取り組みが必要だ」としています。
同社はまた、北米、アジア、欧州、英国など、世界中で規制当局からの認可取得に向け積極的に動いているとのこと。現在のところ、培養肉の販売を認めているのは、シンガポールと米国の2カ国のみ。欧州では認可の目処は立っていませんが、イスラエルのAleph Farmsが先日、スイスと英国で申請を行ったことを明らかにしています。
*1 社会・環境に対して特に良い影響を与える取り組みを評価する項目で、難易度は非常に高いが、獲得できれば高得点が得られる。1つの企業が獲得できるIBMは通常0〜2つで、3つ以上獲得する企業は極めて珍しい。
https://kb.bimpactassessment.net/support/solutions/articles/43000574685-what-are-impact-business-models-
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