オランダの精密発酵スタートアップViviciが、β-ラクトグロブリン生産のスケールアップに成功
精密発酵を手掛けるオランダのスタートアップ企業Viviciが、牛乳に含まれる主要な乳清タンパク質である、β-ラクトグロブリンの生産規模を拡大することに成功したと発表しました。同社初の製品として、2024年初頭に発売する計画です。
大手食品・飲料ブランドへのB2B供給を計画
汎用性の高い素材として知られるβ-ラクトグロブリンは、ほかの多くのタンパク質に比べて栄養面で秀でているのが特徴。また、優れたゲル化・起泡・乳化特性を持っているため、さまざまな食品・飲料の口当たりや食感の改善が期待できます。
Viviciは精密発酵の技術を用いて、顧客ニーズにマッチする幅広い用途の代替品開発に取り組んでいます。生産規模を拡大し、顧客との共同プロジェクトとして食品グレードのβ-ラクトグロブリンを生産。
来年にはさらなるスケールアップを見込んでおり、持続可能なアニマルフリーの消費者向け製品の市場投入を検討している、革新的な大手食品・飲料ブランドへのB2B供給を行う予定です。
多国籍企業のDSM-FirmenichとFonterraの合弁により昨年設立されたばかりのViviciですが、数十年にわたるバイオプロセスの開発とスケールアップの経験を生かし、乳タンパク質の分離と応用において、世界をリードする存在になろうとしています。
今年8月にはシードラウンドでの資金調達を完了。その後、欧州企業が共同で規制当局とのやり取りなどを進めるため設立された業界団体「Food Fermentation Europe」に正式に加盟を果たしていました。
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