米GOZEN、プラスチックフリーのバイオマテリアル大規模生産に向け約5億円を調達

バイオマテリアル(生体材料)を開発する米国のスタートアップ企業GOZENが、微生物のはたらきによって作られる新素材の生産を拡大するため、シードラウンドで330万ドル(約5億円)の資金調達を行ったと発表しました。

バレンシアガのコレクションに採用


GOZENは、微生物、栄養素、天然の助剤のみを使用した発酵プラットフォームを開発し、シート状ではない連続した3D素材を成形。

これにより完成した「LUNAFORM」は、動物性のレザーよりも強い引張強度と柔軟性を持ちながら、自然なドレープによる柔らかさも兼ね備えているといいます。

同社によると、ファッション、自動車、家具など複数の用途に用いられるLUNAFORMは、現在13平方フィート(約1.2平方メートル)のシートで販売されており、厚みや質感のカスタマイズが可能。従来の革のようななめし工程も不要で、わずか10日間で完成するのが強みです。

先日開催されたパリ・ファッションウィークで、バレンシアガの「LUNAFORM Maxi Bathrobe Coat」に使われ、披露されたことで話題を呼びました。

トルコに新施設の建設を計画


今回の資金調達ラウンドでは、Happiness Capitalがリードインベスターとなり、GOZENが生物学の力で業界を変革する可能性を持つと認めた投資家陣が参画。

GOZENの創業者でCEOを務めるEce Gozenは、「当社では、サーキュラー(循環型)デザインを実現する可能性を秘めた高度なバイオマテリアルを生産している。今回の調達により、この生産をさらに大規模で行う道筋を示すことができた」と語っています。

同社は今後、LUNAFORMをはじめとしたアニマルフリーの新たなバイオマテリアルの研究開発を進めるほか、トルコに年間100万平方フィート(約93,000平方メートル)超の大規模生産が可能な施設を建設する計画です。

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