英3D Bio-Tissuesが培養レザー製品の開発に向け、フランスのブランドAmélie Pichardと提携
ロンドン証券取引所メイン市場に上場するBSF Enterpriseの子会社3D Bio-Tissues(以下、3DBT)が、パリ発のブランド、アメリ・ピシャール(Amélie Pichard)との提携に向けた覚書(MOU)を交わしたと発表しました。
両社共同で、細胞培養レザーを使用したファッションアクセサリーの開発、製造、販売を行う機会を模索します。
製品におけるレザー依存割合を減らす
製品化されれば、植物由来の足場を用いずに従来のレザーと同じ構造を実現した培養レザーが、ファッション業界向けに作られるのは初とのこと。業界にとってマイルストーンとなる出来事となります。
Amélie Pichardは、持続可能性を重視したビジネスモデルで知られる、バッグやシューズのブランド。廃棄物を最小限に抑えるため、前のバッチが売り切れた時だけオンデマンドで製造し、製品寿命を最大限に延ばすため修理して再販売も行っています。
これまでイールスキン(食用でないウナギの革)、アップサイクルデニム、天然コルク、サボテン、ピニャテックス(パイナップルの葉から作られる新素材)など多くの素材を使い、最も将来性があり環境に優しい素材の選択肢を模索してきました。
今回のコラボレーションは、レザーの使用をなくすのではなく、培養レザーの要素を取り入れることで製品におけるレザーへの依存を減らすのが目的とのこと。3DBTは、新品の生産と再販のための修理の両方に使用できる、さまざまな製品の開発に取り組みます。
ブランド創設者でクリエイティブ・ディレクターのAmélie Pichardは、「ファッションへの異なるアプローチを採るにあたって、昔の農業の世界から多くのインスピレーションを得ている。動物や地球に害を与えない培養レザーを用いた初の製品で、革新と伝統の真の架け橋を築くことができるのを嬉しく思う」と話しています。
BSFは培養レザー事業の子会社化を計画
2023年に2,530億ドル(約38兆円)となり、2030年には4,050億ドル(約61兆円)に成長すると予測される皮革製品市場。
BSF Enterpriseは、2024年下半期に培養レザーを扱う子会社「Lab-Grown Leather Limited」を新たに設立し、動物皮革製品の開発・販売を拡大させ、市場機会に対応する計画です。
同社はまた、ニューカッスルの研究所内になめし工程を行うエリアを構築中。生産能力を含むなめし加工の詳細、以前に発表された複数企業とのパートナーシップに関する最新情報、および将来の商用化計画については、追って発表予定としています。
3DBTのCEOを務めるChe Connonは、「環境に配慮したファッションをリードしてきた企業とのコラボレーションを嬉しく思う。ファッション産業が持続可能な未来を作るために、培養レザーの活用は避けられない次のステップだ」とコメントしています。
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