ヒマワリの種子で代替脂肪を開発するオランダ企業Time-travelling Milkmanが、約1.4億円を調達
オランダのTime-travelling Milkman(以下、TTM)が、植物性乳製品に使われるパーム油やココナッツオイルの代替となるヒマワリ油脂「Oleocream」の生産規模拡大と市場参入に向け、シードラウンドで85万ユーロ(約1億4,000万円)の調達を行ったと発表しました。
ヒマワリの種子に含まれるオレオソームに着目
2021年に行われたプレシードラウンド以来となる今回の資金調達には、既存株主のOost NL、SHIFT Invest、Oterapに加えて新たにAlianza Teamが参加しました。
TTMは、ワーゲニンゲン大学研究センターとStartlife Alumniからのスピンオフとして2020年に設立された企業です。
共同創業者でCEOを務めるDimitris Karefyllakisは、植物性の代替乳製品はいまだに熱帯雨林の伐採につながるパーム油に頼っていることを指摘。
持続可能な食生活へのスムーズな移行に不可欠な美味しくてクリーミーな代替乳製品を実現するため、持続可能な油脂のB2Bサプライヤーになることを目指しています。
TTMの「Oleocream」は、欧州で採れるヒマワリの種子から小さなオレオソーム(脂肪を蓄える小胞)を抽出する特許製法により作られるもの。
オレオソームは、牛乳に含まれる脂肪滴と同様の機能を持つ天然のエマルジョンであり、代替乳製品の口当たりとクリーミーさを改善するとされています。
高まる代替脂肪の重要性
より持続可能な形で業界を発展させ、市場で成功する新製品を生み出すため、植物性食品における脂肪の重要性がますます強調されています。
多くのフードテック企業が代替肉原料の開発に焦点を当てている一方で、近年はさまざまな手法による代替乳製品向け脂肪の開発事例が増加。
米国のYali Bioは精密発酵により代替脂肪を生産し、これを用いた乳製品フリーのアイスクリームを昨年の「MISTA Growth Hack」で披露。スイスのCultivated Biosciencesは、成長する過程で脂肪を蓄積する油性酵母の力を利用してコーヒーミルクを開発し、同じイベントで発表しました。
ベルギーのBolder Foodsは今年、代替チーズにクリーミーさと力強いうま味をもたらす菌糸体ベースの原料を開発。これまで乳製品にはあまり活用されてこなかった、菌糸体の可能性を追求しています。
参考記事:Time-Travelling Milkman Raises €850K to “Cream” Plant-Based Dairy with Sustainable Sunflower Fat
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