独MicroHarvest、VEGDOGとのコラボで微生物タンパク質を配合したドッグフードを発売

ドイツのフードテック企業MicroHarvestが、植物性ペットフードのメーカーVEGDOGとの提携により、バイオマス発酵タンパク質を用いた犬用おやつ「VEGDOG Pure Bites」を発表しました。

消化が良く、嗜好性が高く、栄養価にも優れているとされ、VEGDOGのV-Label* 認証製品のポートフォリオをさらに拡大するものとなっています。

* European Vegetarian Union(欧州ベジタリアン連合)による、ヴィーガン製品に付される認証マーク

低アレルギー性のドッグフードを開拓


バイオマス発酵によるタンパク質の生産では酵母などの微生物や菌糸体が使われることが多く、これらを利用したペットフード製品もすでに存在していますが、MicroHarvestのタンパク質は、伝統的な発酵食品で何世紀にもわたって人間が摂取してきた細菌を用いているとのこと。

この微生物タンパク質をジャガイモ、リンゴの搾りかすとブレンドした「VEGDOG Pure Bites」は、低アレルギー性で、タンパク質不耐症やアレルギーを持った犬にも最適。動物病院での使用も推奨されています。

共同創業者でCEOのTessa Zaune-Figlarは、「当社の目標は、ペットの餌を肉由来の製品に頼る必要はないと飼い主に対して示すこと。この現代的なアプローチと高品質な製品により、新たな市場を開拓することができた」とコメント。

この新製品は、5月にドイツ・ニュルンベルクで開催される見本市Interzooの期間中に行われる、「2024 Pet Food Forum Europe」で披露される予定です。

ペットも飼い主も好む製品に


MicroHarvestが実施した嗜好性調査では、鶏肉ベースのものよりも微生物タンパク質を使用した製品の方が、犬が好んで受け入れる可能性が10%高い85%)という結果が得られました。

ワーゲニンゲン大学と共同で実施した別の調査では、英国とドイツで犬を飼う人の78.4%(1,162人中)が、持続可能な微生物タンパク質を使用したドッグフードの購入を検討すると回答しており、市場性の高さを示すデータも得られています。

また、推定値にはばらつきがありますが、食物アレルギーを持つ犬は数%程度の割合で存在する様子。このため、低アレルギー性ドッグフード製品の市場は右肩上がりの成長を続け、2032年には220億ドル(約3兆4,700億円)に達するという予測もあります。

フットプリントは昆虫タンパク質に匹敵


MicroHarvestは昨年11月、ポルトガルの首都リスボンに構えた拠点に併設する形で、200平方メートルのパイロットプラントを開設。生産能力の拡大により、数カ月以内に最初の製品を市場に投入する計画としていました。

同施設では、60%以上のタンパク質を含んだ高品質な原料を、わずか24時間で生産できる高い効率性が魅力で、1日に25kgの生産が可能とされています。ペットフード以外に、家畜の飼料や水産飼料への活用も見込んでおり、最終的にはヒトの食品の開発も視野に入れています。

同社によると、微生物タンパク質のフットプリントは、製品1kgあたりCO₂換算で1.4kg。植物性食品をはるかに上回り、昆虫のタンパク質に匹敵する持続可能性の利点が得られるといいます。

参考記事:
MicroHarvest, VEGDOG launch pet treat with microbial protein | Petfood Industry
MicroHarvest & VEGDOG Unveil Dog Treat with “First-of-its-Kind” Microbial Protein
VEGDOG Debuts Dog Treats with MicroHarvest’s Hypoallergenic Microbial Protein Ingredient

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