代替肉を動物肉の隣に陳列することで、売り上げが7%増加 —Lidl Netherlands調査
ドイツの小売り大手Lidlのオランダ法人(Lidl Netherlands)が、ワーゲニンゲン大学および世界資源研究所(WRI)と共同でパイロット調査を実施。従来の食肉の隣に代替肉を置くことで、売り上げが大幅に増加することが判明しました。
誘目性の高さが重要に
これまで植物性代替肉は冷凍食品のショーケースなどに置かれることが多く、生鮮食品である従来の食肉と並べて陳列することは一般的ではありませんでした。
しかしながら、6カ月間にわたり70店舗で実施された本研究の試みでは、期間中の代替肉の売り上げが7%増加したとのこと。
Lidlはヴィーガン食品を専門に扱うスーパーではありませんが、顧客への店頭インタビューやオンラインでのアンケート調査では、ほとんどの顧客がこの戦略を支持すると回答しました。
Lidl NetherlandsのChantal Goeneeは、「調査の結果、顧客が代替肉を購入する際に誘目性の高さが重要な要素となることが分かった。今後の店舗での陳列手法やマーケティングにおいては、このことを念頭に置いて取り組みたい」と語りました。
調査結果が示した明確なニーズを受け、同社は早速オランダ国内に展開する440店舗のすべてで、より大きなサイズの代替肉を導入。
WRIの副所長Stientje van Veldhovenは、「この調査が、ほかの多くのスーパーマーケットチェーンにとっても自社商品の変革に取り組むきっかけとなり、消費者がより健康的で持続可能な食品を選択しやすくなることを願っている」とコメントしています。
植物性製品の低価格化も進む
Lidlは2023年初頭に、より持続可能な事業戦略を採用する計画を初めて明かし、動物性食品の数を減らして、代わりに植物性食品の品揃えを増やすと述べました。
それ以来、欧州を中心とした多くの市場で順調に植物性食品の展開を拡大させており、昨年には自社ブランド「Vemondo」の植物性製品に、動物性食品と同等の価格を設定。
2030年までには、タンパク質売上高の60%を植物性食品にすることを目指しています。
ProVeg Internationalから委託されシンクタンクのQuestionmarkが今年行った調査では、オランダで展開する大手スーパー7社(Albert Heijn、Aldi、Dirk、Jumbo、Lidl、Plus、Ekoplaza)のうち6社で、一部の植物性製品が、対応する動物性の従来品よりも低価格で販売されていることが明らかになりました。
ドイツでも、上述したLidlの発表に続いて、Kauflandが90品目のヴィーガン製品に対して同様の値下げを行っているほか、REWE GroupのBILLAとPenny、Aldi Südも同様の動きを見せています。
長らく価格の低下が課題とされていた植物性食品において、従来品との価格差は徐々に縮小してきており、価格に敏感な消費者にとっても魅力的な選択肢となりつつある様子がうかがえます。
参考記事:
Lidl Sees Plant-Based Sales Soar After Placing Products Next To Meat
Lidl Study: Placing Meat Alternatives Next to Conventional Meat Significantly Increases Sales
At Six Out of Seven Dutch Supermarkets Plant-Based Alternatives Are Cheaper Than Animal Products, Study Finds
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