Believer MeatsがUAEのAGWAと提携、中東における培養肉セクターの強化へ

イスラエルの培養肉企業Believer Meatsが、中東・北アフリカ(MENA)地域における培養肉セクターの強化を目的に、アラブ首長国連邦(UAE)のAGWA(AgriFood Growth & Water Abundance)と提携に至ったと発表しました。

法規制への対応や人材育成も実施


Believer Meatsは、アブダビに新拠点を設立し、事業運営、生産、研究開発をサポートすることを目指しており、これにより地域の雇用機会を創出するとともに、食料安全保障の向上と水不足への対応というAGWAの目標に貢献。

一方のAGWAは、ハラール認証の取得を含め、アブダビにおける培養肉の規制経路の確立に向けたBeliever Meatsの取り組みを支援します。

両者はまた、アブダビの大学や研究センターとの提携を通じて、フードテック分野の人材育成を目的とした「Believer Meats Innovation Academy」の設立を検討するとのこと。

Believer MeatsのCEOを務めるGustavo Burgerは、「AGWAとの提携は、培養肉ソリューションの世界大手になるという当社の使命を実現するための重要な前進だ。食料安全保障の課題に対処し、安全で健康的、そして美味しい培養肉製品を中東・北アフリカ地域などに届けられると確信している」と語っています。

米国でも世界最大の培養肉工場を開設へ


Believer Meatsは現在、米国・ノースカロライナ州に世界最大という20万平方フィート(約18,600平方メートル)の培養肉工場を建設中。最先端のR&Dセンターとテストキッチンを併設するこの施設は、フル稼働時には少なくとも年間1万トンの培養肉を生産することが可能です。

今年2月の報道では、2024年下半期にも生産を開始する計画で、操業準備を進めている最中とされています。

同社は昨年初めに、遺伝子操作なしに非腫瘍原性の細胞株を生み出せる画期的な手法を発見し、培養肉の実現に大きく前進したと発表しました。

Nature Food』誌に発表された内容によると、細胞を自然に不死化させる特許技術を用いて、ニワトリ線維芽細胞の細胞株樹立に成功したとのこと。同業他社と異なり、遺伝子組み換えを施していないことが特徴で、業界標準の手法に比べて17倍も効率的だといいます。

その数カ月後には、世界的な穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)との間で、培養肉製品の開発と商品化に向けた覚書を締結しました。

同社は、ベゾス・アース・ファンド主導でノースカロライナ州立大学に先月設立された「Bezos Center for Sustainable Protein」と提携しています。

CEOのBurgerは昨年、ノースカロライナ州のTed BuddThom Tillis両上院議員と面会し、同州への投資と地域雇用の促進、経済成長支援に対する継続的なコミットメントについての話し合いを実施。

今年に入って培養肉を禁止する法制定の動きが米国内の複数の州(フロリダ、アラバマ)に広がっている中、地方自治体からの支援を確保し、足場固めを行っています。

参考記事:
Believer Meats Partners With AGWA to Develop Cultivated Meat Capabilities in the Middle East
Believer Meats Continues Construction of Cultivated Meat Facility and Expands Executive Team
Groundbreaking Findings From BELIEVER Meats “Break That Big Wall of No” For Cultivated Chicken

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