フランス企業Bon VivantがVerleyに社名変更、精密発酵ホエイを米国で発売

フランスの精密発酵企業Bon Vivantが、初の製品となるアニマルフリー乳清(ホエイ)タンパク質のシリーズを発売しました。併せて、「Verley」へと社名変更を実施し、ブランドアイデンティティやロゴ、ウェブサイトを一新しています。
筋肉の回復や長期保存など、多くの機能性を実現
新たな社名は、語尾に「ey」が付く名前の村が多いリヨン(Verleyの本社所在地)との強い結び付きを反映したもの。地元の村々に根付く酪農の伝統と受け継がれてきた職人の技術を尊重しながら、より持続可能な乳製品の生産方法を開拓するという目標を表しています。
Verleyの精密発酵ホエイは、従来の分離ホエイタンパク質よりも11%、大豆タンパク質よりも50%多いロイシン(必須アミノ酸の一種)を含み、筋肉の回復と維持をサポートするとのこと。
超高温加熱処理(UHT)や酸による処理にも耐え、乳製品やスポーツ栄養における新たな用途を開拓。カスタマイズが可能で、クリーンラベル、長期保存、よりクリーミーな食感を実現します。
新製品となる「FermWhey」シリーズは、精密発酵により生産される乳清タンパク質の一種β-ラクトグロブリン(BLG)をベースにしたもので、次の3種類からなります。
- FermWhey Native:最も幅広い乳製品(および代替乳製品)用途に適した、純度の高く高品質な乳清タンパク質。必須アミノ酸を豊富に含み、筋肉の維持と迅速な回復、満腹感の促進による健康的な体重管理をサポート。
- FermWhey MicroStab:微粒子化された乳清タンパク質。熱や酸に対する安定性に優れ、超高温加熱処理による飲料や、高タンパク・低脂肪の処方での使用に最適。
- FermWhey Gel:優れたゲル化特性を有し、チーズやヨーグルトのクリーンラベル製品開発を低含有率で実現。
年内には正式なGRASステータスも取得見込み
Verleyは今年1月、精密発酵β-ラクトグロブリンについて、米国でGRAS(Generally Recognized as Safe:一般に安全と認められる)ステータスの自己認証を実施したところ。この時までには、米国を含むさまざまな市場で、すでに3社との提携を実現させています。
また、従来の乳タンパク質に比べて環境負荷がはるかに低いことが示されており、欧州の精密発酵製品では初となった査読付きライフサイクルアセスメントでは、温室効果ガス排出量を72%、水の消費量を81%、農地の利用面積を99%削減できるとの結果が得られました。
「FermWhey」シリーズの3種類の原料については、いずれも米国食品医薬品局(FDA)への通知を実施済み。同業のViviciが先月GRASステータスを得た際の審査期間(約7カ月)と同等であれば、年内には正式な認可が得られるものと見込んでいます。
CEOのStéphane Mac Millanは、「精密発酵の可能性はすでに証明済みだが、その真のインパクトは機能性にある。当社の特許技術を応用すれば、標準的な精密発酵タンパク質や、従来の乳タンパク質でさえも到達できなかった高価値の用途を解き放つことができる」と語っています。
参考記事:
Bon Vivant Rebrands to Verley, Unveils “World’s First” Functional Precision Fermentation Dairy Proteins
This Animal-Free Dairy Startup Launched A Line of Functional Whey Proteins in the US
Bon Vivant rebrands to Verley, unveils ‘world’s first’ functionalized recombinant dairy proteins
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