緑豆ベースの植物性代替卵「JUST Egg」が英国に初上陸

市場をリードする米Eat Justのヴィーガンエッグ「JUST Egg」が、Vegan Food Group(以下、VFG)との提携を通じてついに英国でデビューを果たすこととなりました。
健康にも環境にも良い植物ベースの代替卵
先週、ロンドンのキングス・クロス駅付近で試食イベントが行われ、米国でベストセラーとなっている「JUST Egg」は、これにより北米以外に初進出。今後数週間のうちに、ネットスーパーのOcadoを皮切りに消費者向けの展開が始まる予定です。
340mL入りパックの価格は3.99ポンド(約800円)で、卵6個分に相当。Meatless FarmやTOFUTOWNといった植物由来のブランドを展開するVFGが、今年4月に発表された独占契約の一環として製造・販売を手掛けます。
VFGの共同創業者で現会長のMatthew Gloverは、「これまで市場になかった製品で、非常に大きな需要がある。ヴィーガンに限らず、植物ベースの食に関心のあるあらゆる人に向けたもので、卵アレルギーのある人にも最適だ」とコメントしました。
「JUST Egg」は緑豆タンパク質をベースに作られており、1食あたり13g近いタンパク質(鶏卵とほぼ同等)を含有。その一方、飽和脂肪酸は従来の卵の3分の1以下で、コレステロールも含んでいません。
生産に使用される水が98%、土地が83%少なく、温室効果ガスの発生も93%抑えられるという、環境面でのメリットも魅力です。
ドイツで全自動の生産体制を構築
Eat Justは、欧州食品安全機関(EFSA)および欧州委員会(EC)による新規食品の承認を2022年に受けた後、長らく欧州で販売する機会を探ってきました。
ようやく実現したVFGとの提携では、ドイツ北部のリューネブルクにある、欧州最大規模の植物性食品専用工場という同社の施設に1,150万ポンド(約23億円)を投資して、「JUST Egg」を製造するための完全自動化ラインを設置。
これにより、年間で鶏卵5億個分にあたる量の生産が可能になるとされていました。
Eat Justが独自性を有する緑豆の生産を主導し、米国・ミネソタ州の施設からVFGに直接の原料供給を実施。VFGはリューネブルクで下流工程を担当し、その他の原材料や包装資材も地元で調達を行います。
鶏卵サプライチェーンの混乱に乗じる
鳥インフルエンザの3年ぶりの流行に伴い米国で卵の小売価格が過去最高を記録する中、「JUST Egg」の売り上げは目覚ましいスピードで急増し、国内の代替卵市場の99%を独占。
リピート率も56%に達した上、顧客の大半(91%)はヴィーガンでもベジタリアンでもないといい、多くの人の支持を得ている様子がうかがえます。
英国では、同じくエンドウ豆タンパク質から作られたCrackdのヴィーガン液卵と競合することになりますが、VFGのCEOを務めるDave Sparrowは、「品質においてEat Justの製品に匹敵するものはない」と高く評価しています。
先日、同社がNHS(英国の国営医療サービス)のメンバーを招いて本社で試食イベントを開いたところ、「信じられない」「ゲームチェンジャー 」との声が上がり、好意的な反応が得られたとのこと。
「流通面で強みを持つ英国とドイツが当面の優先事項だが、その後ほかの主要市場も狙っていきたい」としています。
参考記事:
Just Egg Launches in UK Backed by VFG’s £11.5M Investment in Production
Plant-Based Just Egg Lands in the UK Via Vegan Food Group
Vegan Food Group signs Europe production deal for Just Egg
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