Veganz Groupが2Dプリントしたシート状オーツミルク「Mililk」を米国で展開開始

ドイツの食品企業Veganz Groupが、完全子会社のMililk Food Techを通して、2Dプリントしたユニークなオーツミルク製品「Mililk」の米国への輸出を開始すると発表しました。

米国で製造拠点の新設も計画


オーツミルクの最初のコンテナは、今月中にも米国東海岸に向けて出荷される予定で、短期的な受注予測はすでに1,500万リットルに達しているとのこと。

Veganz Groupは、北米とアジアの顧客から、18カ月間で1億6,000万リットルの量の要求を受けているとしています。

輸出先は米国の代替ミルクメーカーJindilli Beveragesで、同社は昨年、保有する植物性ミルクのブランド「Milkadamia」から、同種のシート状のオーツミルク製品を発売する計画を発表。

今年5月にVeganz Groupと提携し、生産技術の提供や製品供給を受ける取り決めを行っており、今回の供給分も「Milkadamia」の市場化に向けた準備のようです。

Veganz Groupはまた、ドイツからの輸出と並行して、北米における製造拠点の候補地を定めて総製造能力の増強を図っており、2026年前半の稼働開始を予定しています。

「Mililk」はVeganz Groupが2023年に展開を始めたブランドでしたが、戦略的投資家の参入を可能にするため、今年初めに新会社として設立されました。

投資家との話し合いは大詰めを迎えており、現在の評価額(プレバリュー)は8,000万ユーロ(約138億円)。今後数カ月のうちに取引を成立させ、急速な国際的成長に向けた資本を手にできる見込みです。

小容量化と保存期間の長期化を実現


特許を取得した印刷プロセスで作られる「Mililk」は、シート状で販売され、水とブレンドしてオーツミルクを作ることができるというユニークな製品。

製造工程でエネルギー効率とコスト効率に優れている上、従来の代替ミルクに比べて包装が大幅に少なく済み、冷蔵の必要もなく長期間にわたり保存できます。

Mililk Food Techの代表を務めるAnja Brachmuellerは、「米国への最初の出荷と、いくつかの製造拠点候補の特定により、世界展開に向けたスタートを切ることができた」とコメント。

「Mililkの製品は農産物として分類されるため、ドイツ製品に対する15%の輸入税がかからないと期待できる。これは明らかな競争上の優位性であり、米国市場への投入を加速できるだろう。効率的かつ持続可能な方法で、画期的な植物性飲料を世界中に届けたい」と語っています。

参考記事:
Veganz Group: Mililk Food Tech startet US-Export – Veganz Shop
Veganz Group AG: Mililk Food Tech Launches US Exports
Veganz Begins Exporting Mililk 2D-Printed Oat Milk to the US

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