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ヴィーガンチキンを手掛けるTiNDLE Foods、米国事業を売却し欧州でのプライベートブランド品製造に注力へ

植物性代替肉に特化したシンガポール発のスタートアップ企業TiNDLE Foodsが、2026年より欧州市場に専念する戦略的事業転換を発表しました。米国事業については売却を計画しており、経営リソースの大きなシフトを示唆しています。

米国で順調な展開も、撤退を決断


TiNDLE Foodsは数年前に米国市場への進出を果たして以降、ヴィーガンチキンの販売先を順調に広げてきました。今年4月にはKroger系列のスーパーマーケット500店舗超に進出して、取り扱い店舗数は1,300店舗を突破しています。

にもかかわらず、同社の経営陣は植物性食品の需要が拡大を続ける欧州市場に、より大きな可能性を見出している様子。自社製品中心のビジネスモデルから脱却し、欧州のB2B顧客向けに低価格のプライベートブランド製品を製造することに専念する方針です。

創業者でCEOのTimo Reckerは、この決定は、欧州における植物性食品の需要増加やプライベートブランド製品がシェアを拡大している傾向など、複数の要因に基づくと説明。

「欧州ではより大きな成長可能性を認識している。特に若年層を中心に植物性食品への需要が高まり続けており、すでに日常の生活様式として植物性食品が完全に受け入れられている」と述べました。

米国において、2024年の植物性代替肉の売上高は前年比で7%減少。一方の欧州では、スーパーマーケットの安価なプライベートブランド製品の二桁成長が牽引する形で、昨年は6つの植物性カテゴリーで売上高が1.7%増加しています。

低価格のプライベートブランド製造にシフト


ここ最近、植物性食品分野の主要プレーヤーの多くが、最も有望な地域に経営資源を集中させる取り組みを進めています。代替肉大手のBeyond Meatは今年、北米と欧州に注力するため中国での事業停止を発表。オーツミルクを手掛けるOatlyも同様に、中国での製造を一時停止しました。

欧州の小売業者や外食産業は、コスト効率が良く持続可能なソリューションをますます求める傾向にあり、TiNDLE Foodsはこの流れに乗るべくプライベートブランドの製造に向けた提携強化に注力。

プライベートブランドのイノベーションによって、ドイツではすでに植物性食品の価格が、同等の動物由来製品と比べて平均5%安価になりました。小売りLidlのプライベートブランド「Vemondo」は、6カ月間で30%の売り上げ増を報告しています。

TiNDLE Foodsもこれらの製品を小売業者にとっての「主要な戦略的焦点」と位置付け、植物性代替肉の普及に向けた主要な障壁となっているコストの問題に対処する狙いです。

同社は、Next Gen Foodsとして2020年に創業して以来、1億3,000万ドル(約202億円)以上を調達。外食産業からヴィーガンチキンの展開を開始すると、植物由来のポークソーセージなどをラインアップに加え、植物性ミルクへ進出する計画も明かしていました。

欧州では現在、英国、ドイツ、スイスで販売されており、小売りではMorrisonsやWhole Foods Marketといった大手スーパーでも取り扱いがあります。

参考記事:
TiNDLE Foods to Sell US Business and Double Down on European Private Label Market
TiNDLE Foods to Sell US Business to Focus on Private-Label Products in Europe

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