韓国の培養肉企業TissenBioFarm、組織工学により従来の食肉と同等の細胞密度を達成

韓国の培養肉企業TissenBioFarmが、従来の食肉と同等の細胞密度を持つ培養肉の開発に成功したと報告。培養肉の生産技術に関するより広範な議論と結び付け、培養肉が仮説的な議論の域を超えて、測定可能な技術的成果へ移行しつつあると述べています。

従来の食肉の2倍の細胞密度も可能


動物組織の構造的特性を再現するという難題に取り組む培養肉企業にとって、細胞数と細胞密度は、培養肉が従来の食肉の真の代替品として実現可能かを判断する上で重要な指標となってきました。

しかしTissenBioFarmは、当初から「培養肉を単なる個々の細胞の集合体ではなく、構造化された組織の一形態と捉える」アプローチを採っており、これにより報告された成果が実現できたと説明。

初期の細胞密度を制御することで、リブアイなどの牛肉部位と同等の細胞密度を持った培養肉を生産できるほか、従来の肉と比べて2倍以上の細胞密度を持たせることも可能だとしています。

ただし、定量データ、第三者検証、査読結果などは報告に含まれておらず、この成果を達成した生産規模についても開示はされていません。また、今後の規制当局への認可申請スケジュール、商業生産、コスト構造についても言及していません。

「どのような価値を提供できるか」が焦点に


TissenBioFarmはSNSへの投稿で、「培養肉はもはや可能性を議論する段階ではない」と表明。「現実に測定可能な技術的成果が、業界の新たな章を定義し始める段階に入っている」と述べました。

高まる期待を実際の進捗が上回らなかったことにより業界全体に対する疑念が増していると認めつつも、技術的に可能であってもまだ実現できていないものはあり、そこを混同すべきではないとしています。

同社はまた、技術指標にのみ焦点を当てるのではなく、議論を下流の価値創造へと転換させるよう主張。今や「培養肉には何個の細胞が含まれているか」ではなく、「本物の肉よりも高い細胞密度を持つ培養肉が、消費者と業界にどのような新たな価値を提供できるか」を考えるべきと訴えています。

例えば食感や栄養価の向上、足場材料への依存度低減などに焦点が当てられる可能性を示唆し、特定のメッセージではなく継続的な技術開発を通じてこの問いに答えていく意向を示しました。

また、商業的に成立する培養肉の開発進展は、業界全体での持続的な取り組みにかかっていることを強調。各社がそれぞれの技術を推進し続ければ、当初構想された培養肉製品は最終的に現実のものとなると述べています。

参考記事:
TissenBioFarm | LinkedIn
TissenBioFarm reports cell densities comparable to conventional meat in cultivated tissue | PPTI News
TissenBioFarm Develops Cultivated Meat Matching Cell Density of Real Meat

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