英国のスタートアップ企業Shellworksが約24億円を調達、微生物の発酵で作られるプラスチックフリー素材を拡大

サステナブルな包装材を探求する英国・ロンドンのShellworksが、廃棄物を用いた微生物発酵によって作られるプラスチックフリー素材「Vivomer」の開発資金として、シリーズAラウンドで1,500万ドル(約23億9,000万円)を調達したと発表しました。
100%生分解性の代替素材
化石燃料に由来するプラスチックは、分解に短くても20年、長いと500年かかり、埋立地に送られてマイクロプラスチックを土壌や水源に流出させています。
現在、環境中には80億トンのプラスチックが存在し、生産されるプラスチック包装材は年間1億4,100万トン。世界全体では年間4億トン以上のプラスチック廃棄物が発生していますが、そのうちリサイクルに回るのはわずか9%に過ぎません。

2019年にInsiya JafferjeeとAmir Afsharが設立したShellworksは、使用済み食用油などの第2世代バイオ燃料を発酵させて作られる「Vivomer」を開発しました。
家庭用コンポストに適したミネラルと顔料を含むこの天然の生分解性ポリマーは、有害なBPA(ビスフェノールA)やPFAS(有機フッ素化合物)を含まず、マイクロプラスチックも残留させません。廃棄した後は完全に生分解され、水とCO₂に戻ります。
素材自体は硬さを細かく調整でき、マット仕上げと光沢仕上げの両方に対応可能なため、ピペットやスポイト、ボトル、スクリューキャップまで幅広い用途に適合。
すでに多くの革新的な企業で採用されており、サステナブルなパーソナルケア製品を展開するWild(昨年ユニリーバが買収)や、Haeckels、Abel、Eclo、Hair by Sam McKnight、Wildsmith、Katoa Botanicals、そしてパメラ・アンダーソンが新たに立ち上げた美容ブランド「Sonsie Skin」などの容器・パッケージに使われています。
コスト低下に成功し、市場化に近づく
ShellworksのシリーズAラウンドは、パリのインパクト投資ファンドAlter Equityが主導し、Nat Friedman、JamJar Investments、そしてFounder Collective、LocalGlobe、Third Sphereといった既存投資家も参加しました。
Shellworksは「Vivomer」のブランドパートナーを増やすとともに、ブロー成形などの複雑な技術に特化した地域の生産拠点を設立して、成長著しい欧米のウェルネス市場への進出を目指しています。
CEOのJafferjeeは、「これまで、持続可能な素材に関する議論では、コストが高すぎて普及が難しいとの認識が支配的だったが、私たちはもはやそれが正しくないことを証明している」とコメントしました。
環境に優しい代替プラスチックは一般的に高価ですが、同社は価格差を縮めるための重要なマイルストーンを達成したとのこと。「Vivomer」は年間約500万単位の小規模生産ながら、アルミニウム、ガラス、紙といった従来の素材とのコスト競争力を実現しているといいます。
欧州の消費者の64%は持続可能な製品の購入を続けたいと考えているものの、それは価格が従来の製品と同等以下の場合に限られるとの調査結果もあるため、これは非常に重要。
コスト削減の成功によって、プラスチック包装からの脱却を目指す企業にとっての長期的なパートナーとして、Shellworksの存在感がさらに高まったといえるでしょう。
参考記事:
Insiya Jafferjee | LinkedIn
UK Startup Shellworks Bags $15M to Expand Plastic-Free Packaging from Waste & Microbes
Shellworks raises $15 million to scale biodegradable plastic alternative | Article | Packaging Europe
Shellworks raises 15 million euros to scale its alternative to traditional plastic – Premium Beauty News


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