リンツも支援するFood Brewer、スイス連邦鉄道の客車内でカカオフリーチョコレートを展開

代替チョコレートを開発するスイスのFood Brewerが、黄色エンドウ豆の加工副産物を原料とした、カカオ不使用のチョコレートバー「Yodel Bites」を発売しました。スイス連邦鉄道(SBB)の食堂車を備える全客車で販売されています。
培養カカオから事業範囲を拡大
Food Brewerは2021年の設立以来、チョコレート大手のリンツからも支援を受けて、気候変動に配慮したチョコレートやコーヒーの代替品開発を進めてきました。
当初は細胞培養技術によるカカオの開発に注力していましたが、規制当局の認可取得プロセスを進める中で、ほかの原料を活用する方向へと事業を拡大しています。
プライベートブランド製品の製造を手掛けるStella Bernrainとの提携により誕生した新製品の「Yodel Bites」は、黄色エンドウ豆とキャロブ(チョコレートの代替品としてよく使われる豆類)を主原料に採用。
これらにパーム油やシアバター、砂糖、全粉乳、ローストヘーゼルナッツの粒、ヒマワリレシチン、天然香料を配合して、従来のミルクチョコレートと比べて砂糖を30%抑えた代替品を実現しました。
現在、スイス全土を走るSBBの列車内にて、ケータリングサービスを運営するElvetinoを通じて販売中。そのほか、Stella Bernrainの複数店舗や、Food Brewerの公式オンラインショップでも購入可能です。
CEOを務めるChristian Schaubは、「国内で最も有名なブランドの一つであるSBBは、スイス発の新しい製品を全国の旅行者に紹介するための理想的なプラットフォームだ」とコメント。
ElvetinoのRenato Citriniは、「私たちは常に新しい商品でゲストを驚かせたいと考えており、『Yodel Bites』はまさにぴったりの製品だ」と述べています。
黄色エンドウ豆の加工副産物を活用
Food Brewerが代替チョコレートの主原料に黄色エンドウ豆を選んだのは、世界各地で栽培可能で一年を通して収穫できる作物であり、現代の農業技術で効率的に収穫され、サプライチェーンが短く安定しており、気候変動の影響も受けにくいという多くの利点があるため。マメ科植物のため、窒素固定によって土壌の健全化にも寄与します。
同社はこの産業の副産物を活用して、黄色エンドウ豆の「見過ごされがちな部分」に新たな価値を与えました。
発酵、焙煎、そして独自の加工技術を組み合わせた工程により、チョコレートのような豊かな風味が生まれます。さらに油脂や砂糖を配合すると、消費者がチョコレートに期待する味、口当たり、品質を備えた滑らかなチョコレート生地(カカオリカー)に仕上がります。
Food Brewerは、ミルク、ヴィーガン、ダーククーベルチュールの種類を展開しており、これらは従来のチョコレートとブレンドすることも、完全に置き換えることも可能です。また、配合量に応じて使い分けられる、コスト効率の高いカカオパウダー代替品も製造しています。
ベルン応用科学大学が実施したブラインド試食テストでは、消費者は同社のカカオフリーチョコレートに好意的な反応を示し、中には従来の製品より好むという人もいたほど。その受容度は数週間にわたって安定しており、場合によってはさらに高まる傾向も見られました。
昨年、同社は培養カカオの生産プロセスを6,000リットル規模へと拡大することに成功して、完全自動化された工程の運用や大規模な共同プロジェクトの開始が可能になりました。
リンツのほか、ピュラトスのベンチャー部門Sparkalis、Felchlinといった名だたるチョコレートメーカーから500万スイス・フラン(約9億5,200万円)を調達し、現在は米国での販売認可取得を目指しています。
参考記事:
Food Brewer | LinkedIn
Lindt-Backed Food Brewer Brings Cocoa-Free Chocolate to SBB Trains Across Switzerland
Food Brewer bringt kakaofreien Snackriegel mit Schokoladengeschmack in SBB-Züge


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