仏Accor傘下のノボテル、全600軒のホテルで植物ベースのメニューを増やし、持続可能なシーフード調達を推進

フランスを本拠とし、世界規模で展開するホテルチェーンのAccor(アコー)が、保有する上級ブランドのNovotel(ノボテル)で環境に配慮した食材調達を行い、ゲストの食に関するフットプリントを削減する2つのコミットメントを発表しました。
WWF Franceとの提携で責任ある漁業を推進

全世界に600軒を展開するノボテルは、植物ベースの食事をより多く提供する目標を設定。2026年までに全メニューの少なくとも4分の1で肉の使用をやめると定めました。現在、同ホテルの40%近くがこの基準を満たしている状況です。
これにとどまらず、アコーの「Good Food Feels Great」ポリシーでは、10年後までに傘下の全ホテルで肉を使わないメニューの割合を50%に引き上げることが約束されています。
ノボテルはさらに、昨年始まった世界自然保護基金のフランス支部(WWF France)との3年間のパートナーシップに基づき、2027年までに絶滅の危機に瀕している350種の魚介類をメニューから排除し、責任ある漁業を推進すると約しました。
新しく策定した「持続可能なシーフード原則」には、特定魚種の禁止、海洋管理協議会のMSC認証を受けた天然魚または責任を持って調達された地魚のみを提供すること、オーガニックまたは水産養殖管理協議会のASC認証を受けた養殖サーモンとエビのみを使用することなどが含まれます。
WWF FranceのLudovic Frère Escoffierは、「乱獲、汚染、生物多様性の喪失といった脅威の増大に直面し、経済界が果たすべき役割は重要だ。観光セクターで影響力を持つ企業と協力することで、海洋のレジリエンスに適合した、より持続可能で責任ある慣行への移行を加速させたい」とコメントしました。
持続可能な選択肢を簡単に選べるよう促す
国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の海洋魚資源の90%近くはすでに利用し尽くされ、枯渇しているとのこと。海の生態系は2048年までに完全な崩壊に向かう可能性があるとした研究結果もあり、人間が消費するための乱獲、海洋汚染、気候変動がその主な原因です。
このような状況に消費者の懸念も高まっており、MSCが昨年実施した調査では、過去2年間にシーフードを食べる量を減らした人が30%、乱獲を心配する人が48%、気候変動の影響を心配する人は35%に上りました。また、80%以上の人々がこの期間に食習慣を変え、うち43%が持続可能性を理由に挙げています。
ノボテルのタンパク源の多様化戦略もこうした消費傾向と結び付いたもので、同社は世界的なフレキシタリアン人口の増加と、肉と植物では気候変動に及ぼす影響の大きな違いがあることに言及しています。
肉は野菜の50倍の炭素を排出し、生産量1kgあたり必要な水の量も50倍になると同社は指摘。シェフのネットワークやプラントベース食の専門家と協力し、肉を使わない革新的なメニューを開発してきました。
AccorのJean-Yves Minetは、「人は常に最も持続可能な選択肢を選ぶとは限らない。持続可能なだけでなく、たまらなく美味しく、栄養価が高く、深い満足感を得られる料理を提供することで、より良い選択を簡単にできるよう促すのが当社の使命だ」と語っています。
参考記事:
NOVOTEL CELEBRATES ONE YEAR OF OCEAN COMMITMENT AND SUSTAINABLE PARTNERSHIP WITH WWF – PR Newswire APAC
More Plants, Better Seafood: Novotel Debuts Climate-Conscious Menus at All 600 Hotels
Novotel to expand ‘plant-forward’ menus and sustainable seafood sourcing – edie
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