植物性乳製品の受託製造を手掛けるFinnish Food Factoryが、PEファンドから約17.3億円を獲得

植物由来の代替乳製品を専門とする受託製造会社のFinnish Food Factoryが、Taaleri Bioindustry Fund Iから1,000万ユーロ(約17億3,000万円)の出資を受けたと発表しました。

植物性食品に対する需要が増加を続ける中、長期的な成長と幅広い市場への進出を促進する目的です。

Fazerなど大手からも製造を受託


Finnish Food Factoryは創業以来急成長を遂げ、売上高を2020年の120万ユーロ(約2億700万円)から、2024年には1,350万ユーロ(約23億3,000万円)にまで増加させています。

製品の風味や機能性を損なうことなく長期保存を実現できる技術と製造方法を確立しており、100%リサイクル可能なパッケージを用いるなど、サステナビリティに配慮。

顧客との協働で新製品を開発し、合意された条件下での製造を担っており、北欧を代表するFazerをはじめとした世界的なブランド向けに植物由来の代替乳製品を供給しています。

Fazerは先日、植物性ヨーグルトの製造を韓国の工場からFinnish Food Factoryに移管したばかり。これに伴い、「Aito」シリーズ全製品の製法とパッケージを一新し、新たに展開を開始しました。

地元産のオーツ麦を活用


2020年に設立されたFinnish Food Factoryは、フィンランド南部Kouvola(コウヴォラ)の施設でヴィーガン乳製品の製造を実施。

主に地元産の原材料を使用し、特にオーツ麦とエンドウ豆に重点を置いているのが特徴で、製品群は乳製品フリーのミルク、ヨーグルト、クリーム、プロテイン飲料、ソース、スプレッド、栄養代替飲料など多岐にわたります。

会長を務めるTuomas Kukkonenは、地元産原料の活用について触れ、特に主食の一つとなっているオーツ麦が重要な原料と説明。「植物性食品に関して長年培ってきた専門知識により、効率的かつ革新的で信頼性の高い製造が当社の事業の礎となっている。Taaleri Bioindustryを成長パートナーとして迎えることができ、大変嬉しく思う」とコメントしました。

持続可能な食品生産への移行を支援する一歩に位置付けられる今回の投資は、Taaleri Bioindustry Fund Iが行った6件目の投資案件となりました。

同ファンドはバイオエコノミーと循環型経済の分野の企業支援に重点を置き、これまでに1億ユーロ(約173億円)超を運用。資金のおよそ半分はすでに配備されています。

参考記事:
GreenTech startup Finnish Food Factory raises €10 million for its plant-based diary products | EU-Startups
Taaleri Bioindustry Funds Growth of Finnish Food Factory’s Plant-Based Dairy Business
Finnish Food Factory Gets $11.8M for Plant-Based Dairy Manufacturing

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