代替脂肪開発のPerfat Technologiesが約4.3億円を調達、飽和脂肪酸を置き換えるオレオゲル技術の拡張へ

機能性を持った健康的な代替脂肪を開発するフィンランドのフードテック企業Perfat Technologiesが、シリーズAラウンドで250万ユーロ(約4億3,400万円)の調達を行ったと発表しました。
飽和脂肪酸を置き換えつつ食物繊維を添加
このラウンドはNewtree ImpactとBeyond Impactが共同で主導し、Nordic Science Investments、University of Helsinki Funds(ヘルシンキ大学の運営するファンド)、Big Idea Venturesが継続参加しました。
EIT Foodの起業家育成プログラム「RisingFoodStars」のメンバーであるPerfat Technologiesは、飽和脂肪酸による健康への悪影響や、熱帯雨林の破壊にもつながっているパーム油問題などに対処することを目的として設立されました。
独自のオレオゲル技術を用いて、常温で液体の植物油(不飽和脂肪酸)にゲル化剤を組み合わせ、飽和脂肪酸と同等の機能性を持った固形脂肪に変換しています。
脂肪分を80%削減、カロリーを最大30%低減する一方で食物繊維を添加し、世界初という繊維強化ゲル化植物油を開発。
味や食感を損なうことなくクリーンラベルを実現したい企業にとって魅力的な選択肢となる、バター、パーム油、ココナッツ油など従来型脂肪の代替品です。
栄養プロファイルが大幅に改善することで、EU域内で流通する栄養表示「Nutri-Score(ニュートリスコア)」の評価を2段階向上させられる可能性もあるといい、製品の魅力に大きな差をもたらすと期待できます。
ベーカリー、菓子、植物性乳製品の市場を想定
多くの研究が、飽和脂肪酸の過剰摂取は血中のコレステロール値を上昇させると示し、代わりに植物油をはじめとした多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸など)を選ぶよう推奨。平均的な食事の20~35%を脂肪が占める中、より健康的な代替品への需要が高まっています。
共同創業者でCEOのJyrki Lee-Korhonenは、「急速な成長を遂げて食品産業を変革し、世界中の何百万もの消費者のためのより健康的な未来を創出したい。従来の固形脂肪を代替することは、単なるイノベーションではなく、人々の健康を守ることであり、持続可能なソリューションを採用するメーカーへの支援であり、また世界の脂肪についての考え方そのものを再構築することだ」とコメント。
今後の展望について、「食用固形脂肪の市場は年間1,000億ドル(約14兆8,000億円)以上とも推定される巨大な市場だ。ベーカリー、菓子、植物性乳製品の分野に大きな機会を見出しており、初期の応用例としてはベーカリー用フィリングや各種スプレッドが考えられる」と話しています。
参考記事:
Perfat Technologies Raises €2.5M to Replace Saturated Fats With Healthy & Functional Alternatives
Finnish start-up Perfat Technologies raises €2.5m to revolutionise healthy fats | FoodBev Media
Perfat Technologies CEO: Substituting traditional solid fats with healthy lipid-based solutions
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