米国のバイオテクノロジー企業Amyrisが、ブラジルに精密発酵原料の生産ラインを新設

米国・カリフォルニア州のバイオテクノロジー企業Amyrisが、ブラジルの精密発酵工場に新たな生産ラインを設置し、さまざまな用途で使用される持続可能な原料の生産能力を拡大したと発表しました。
16万リットルの精密発酵専用ラインを新設

合成生物学のパイオニアであるAmyrisは、2003年の設立以来、垂直統合型のバイオ製造体制を構築し、カスタマイズされた持続可能な原料を供給してきました。
同社の技術の中核を成すのは精密発酵。これは、特定のDNA配列を微生物に導入することで、その微生物が発酵した際に特定の目的分子を生成するよう改変するプロセスです。
このたび、ブラジルのサンパウロ州にある施設に、新たに16万リットルの精密発酵専用ラインを設置。既存の40万リットルのライン3本に加えて、生産能力をさらに拡大しました。
香料、美容・パーソナルケア、食品・飲料、農業、健康、先端材料など、幅広い産業分野で使用される特殊分子の効率的な量産を進めます。
AmyrisのCEOを務めるKathy Fortmannによると、同社が開発した微生物株は、長期間の生産においても安定して非常に高い力価、収率、生産性を実現するとのこと。
施設にはカスタムメイドの高度な計測機器、自動化されたプロセス制御、リアルタイムのデータ分析システムを備え、ラボスケールで実証された菌株の性能を、産業規模の安定した結果へと発展させました。
倒産後の再建における最新の動きに
Amyrisは、高純度、安定した性能、環境負荷の低減、そしてサプライチェーンのレジリエンス向上を実現する原料として、スクアレン、ファルネセン、ビサボロール、パチョリなどを展開。
これらの成分は、DSM-Firmenich、Givaudan(ジボダン)、Croda(クローダ)といったパートナー企業によって、世界中の何億人もの消費者が使用する美容、パーソナルケア、ホームケア製品に組み込まれています。
精密発酵においては、規制当局の承認が商業化における大きな障壁となりますが、同社は世界中の規制当局や顧客と連携して、意図する市場での生産・販売を確実に実現しています。
同社は2023年、財務上の問題を抱えていたことから、米連邦倒産法第11章(チャプター11)に基づき倒産を申請して事業再編に注力。「Biossance」、「Pipette」、「MenoLabs」といった消費者向けブランドを売却し、B2Bの事業モデルへと舵を切りました。
2024年5月にCEOに就任したFortmannは、「卓越した業務遂行能力と、技術的なコア・コンピタンス(他社と差別化する競争力の源泉)の確立に注力している」と説明。
「事業モデルの刷新と重点分野への注力強化により、プラスの影響を最大化し、バイオテクノロジー分野のより多くのイノベーションを市場に投入する体制を整えたい」としています。
参考記事:
Amyris expands fermentation capacity in Brazil to meet rising demand for sustainable ingredients | The Plant Base
Amyris Installs New Production Line in Brazil for Precision-Fermented Ingredients
Amyris adds flexible new line at Barra Bonita as Brazil fermentation hub expands commercial reach | PPTI News


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