カナダ政府、ホールカット植物性代替肉・シーフードの大規模生産プロジェクトに約5.7億円を投入

カナダ政府のイノベーションクラスターProtein Industries Canadaが、国内における植物性代替肉・シーフードの生産拡大を目指すプロジェクトに対して、490万カナダドル(約5億6,400万円)の支援を行いました。

消費者需要を受けて、公的資金の拠出を拡大


カナダ国民の54%は植物性食品の摂取量を増やそうとしていますが、既存の代替肉製品は味や食感が劣るという理由で敬遠する人も36%と少なくありません。

こうした状況の変革を目指して新たに立ち上げられた本プロジェクトは、地元企業のNS/TX IndustriesNew Protein International(NPI)Infusd Nutritionが参加しており、NS/TX Industriesの代替肉・シーフード製造技術の規模拡大に重点を置いたもの。

全体としては1,510万カナダドル(約17億4,000万円)規模で、うち490万カナダドルをProtein Industries Canada、残りは業界パートナーから資金提供を受けています。

連邦産業大臣のメラニー・ジョリーは、この投資は「地元で栽培された作物を高付加価値のタンパク質原料に加工する国内サプライチェーンを構築することで、カナダの食料システムを強化する」とコメント。

新たな政府投資が、大豆タンパク質の包括的なバリューチェーンの確立、イノベーションに基づく雇用の創出、そして経済効果の大幅な増大に貢献すると期待されています。

カナダは、代替プロテインへの政府主導の資金提供におけるリーダー的な存在であり、2018〜28年にかけてProtein Industries Canadaに3億5,300万カナダドル(約406億円)を拠出すると約束しました。

同国の植物性食品セクターは、より広範なフードテック・エコシステムにおいて中心的な役割を担っていると認識されており、国内のフードテック企業の4分の1を擁し、業界全体の資金の12%を獲得しています。

懸念されてきた植物性食品の味と食感を改善


カナダ南東部に位置する最大都市トロントを拠点とするNS/TX Industriesは、昨年、植物由来のホールカットサーモンを販売するNew School Foodsが代替肉へと事業を広げたことを契機に、新たな企業体として誕生しました。

特許取得済みの「指向性凍結(directional freezing)」と呼ばれる技術を用いて、繊維状の食感を再現し、従来品同様に調理できる製品を実現しています。

トロントに構えた28,000平方フィート(約2,600平方メートル)のパイロット施設で、既製の食品製造設備を使用することで、押出成形に比べてコストを大幅に削減しました。

Protein Industries Canadaおよび業界パートナーからの資金提供を受けたプロジェクトでは、同社の組み立てラインを自動化して技術プラットフォームを拡張し、生産量の増加、ユニットコストの削減、そして幅広い製品用途に向けたB2B製造のサポートを実現します。

NPIは、ヘキサン(油を搾る工程で使われる化学溶剤)フリーでクリーンラベルの大豆をはじめとした幅広い地元産の豆類を供給して、タンパク質原料の栄養価向上に寄与。

一方のInfusd Nutritionは、水中での安定性を高めた世界初のクレアチン原料をパイロットスケールで検証しており、サプリメントや機能性食品・飲料に組み込む応用を進めています。

参考記事:
Next-level food manufacturing to unlock whole-cut meat
Canadian Govt Invests in $11M Scale-Up Project for Whole-Cut Plant-Based Meat
Protein Industries Canada backs scale-up of whole-cut meat alternatives with US$11 million investment | PPTI News

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