The Protein Breweryのマイコプロテイン、EUで「新規食品」として承認され販売が可能に

オランダに拠点を置くフードテック企業The Protein Breweryが、同社の菌糸体原料「Fermotein」を欧州連合(EU)域内で販売するための認可を取得しました。

申請から6年、前例を確立して次の申請者に道を開く


欧州委員会(EC)は今月17日に実施規則を改正し、The Protein Breweryの菌糸体原料「Fermotein」を、「Regulation (EU) 2015/2283」に基づく認可リストに正式に追加しました。

規制制度の創設以前からあるQuornの製品を除いて、新しい菌糸体原料がEUにおける「新規食品(Novel Food)」枠組みの承認を受けるのは、初の出来事となります。

The Protein Breweryが欧州委員会に初めの申請書類を提出したのは、2020年5月。昨年末に欧州食品安全機関(EFSA)から肯定的な科学的見解が得られ、今年5月に行われた欧州委員会の植物、動物、食品及び飼料(PAFF)に関する常任委員会の投票でも、安全性を支持する結果が出ていました。

今回の認可により、同社は安全性評価を裏付ける科学的データと研究、そして既存の特許取得済みの生産プロセスに関する5年間の独占的権利を保有します。

同社の栄養・規制担当ディレクターYvonne Dommelsによると、欧州委員会は透明性のある対話のためにブリュッセルの本部に同社を招き、規制案の重要な点について議論する機会を設けてくれたといい、「欧州委員会との連携に満足している」と話しています。

GFI Europeの政策マネージャー、Lea Seyfarthは、「EUで新規食品としてマイコプロテイン原料が初めて承認されたのは素晴らしいことだ。EUの厳格な安全基準を満たす形で、新製品の市場投入が可能だと示された」と今回の結果を歓迎。

その一方で、「申請から最終承認まで6年もかかったという事実は、規制枠組みが食品イノベーションのペースに追い付く必要性を示している」と指摘しました。「EFSAの能力を強化し、申請者に対して、申請前に詳細な科学的助言とガイダンスを提供できるようにすることで、不必要な遅延を防ぐべきだ」と提言しています。

2027年に600トンの供給を確約


「Fermotein」は、アジアの伝統的な発酵食品に用いられるものと近縁の真菌、リゾムコール・プシルス(Rhizomucor pusillus)のバイオマス発酵によって生産されます。

約50%が必須アミノ酸をすべて含む完全タンパク質、約30%が食物繊維で構成され、さらに天然由来の微量栄養素や生物活性物質も含有。承認を受けた用途として、プロテインパウダー、サプリメント、プロテインバー、代替乳製品、栄養強化食品・飲料などが挙げられます。

この原料はすでに、シンガポールと米国では必要な認可を受けて展開が始まっています。EUで販売が認められたことを受け、来たる第3四半期に欧州市場にも投入される予定。

今年生産可能な分はすでに顧客が全量を予約している上、2027年にもオランダ・ブレダの工場から600トンの供給を見込んでおり、2029年までには生産能力を2,000トン以上に拡大する計画です。

CEOのThijs Boschは、「オランダ国内の工場から欧州の顧客に直接供給できるようになったことは、当社にとって大きな転換点だ。主要ブランドや新興ブランドの間で、タンパク質、食物繊維、そして生物活性物質をすべて含んだ単一原料を求める強い需要が見られる」と述べています。

参考記事:
The Protein Brewery’s Fermotein Wins EU Novel Food Authorisation as First Approved Mycelium Ingredient
The Protein Brewery wins EU approval for Fermotein mycoprotein six years after novel foods filing
The Protein Brewery secures EU approval for novel mycelium ingredient in health and wellness F&B

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。