仏Dry4Good、精密乾燥技術を用いた天然原料の生産能力を10倍に拡大するため9億円超を調達

フランスのフードテック企業Dry4Goodが、精密乾燥技術を用いた天然原料の生産を拡大するため、500万ユーロ(約9億1,200万円)の新規投資を獲得しました。
従来の食品原料に代わるクリーンラベル製品への需要が高まる中、年間生産能力を10倍に引き上げます。
原材料の特性を保持できる常温乾燥技術
Jean-Gabriel DijoudとRomaric Janssenによって設立されたDry4Goodは、果物、野菜、香草の風味や色、栄養価を維持できる独自の常温乾燥プロセスを開発しました。
揮発性の芳香成分や色素、ビタミンを損なってしまう恐れのある従来の高温乾燥とは異なり、同社のプロセスは、物理的・機械的な条件を精密に制御しながら水分を除去することで、原材料が本来持つ特性の多くを保持します。
この技術により、食品メーカーは人工着色料や香料、その他の添加物を、100%植物由来の成分で置き換えることが可能に。
「生鮮食品の風味や色を再現できる乾燥食材を見つけることは、業界における長年の課題の一つだった。当社の技術を活用すれば、メーカーはこれを実現すると同時に、人工の添加物や高度な加工からの脱却を図れる」とJanssenは話しています。
Dry4Goodは、製菓・製パン、飲料、チョコレート、調味料、調理済み食品などの幅広い分野で使用される、粉末、顆粒、インクルージョンといった形態の原料を製造しています。また、果物、野菜、香草のみを原料とした天然香料・着色料の開発も行っています。
原材料の大部分は、生産拠点の近隣にある農家や農業協同組合から調達。小売り向けの外観基準には適合しないものの、栄養価や風味・食感といった品質では問題のない作物も買い取っており、生産者に新たな収益源をもたらすと同時に、食品ロスの削減にも貢献しています。
年間生産能力を800トンに拡大
新たな資金調達により、Dry4Goodはパリ近郊のセルジーにある拠点に2つの新しい製造ラインを導入して、年間生産能力を80トンから800トンへと拡大します。
今回の投資は、EUの欧州地域開発基金(ERDF)の支援を受けてイル=ド=フランス地域圏のプロジェクトに出資するÎle-de-France Reindustrialization Fundが主導し、農業・食品分野の複数の投資家が参加しました。
Dry4Goodは3年間にわたってセルジー工場で商業運転を続けており、産業規模での技術の実証を行い食品メーカーに製品を供給するとともに、複数のグローバル食品企業との共同開発プログラムを進めてきました。
同社によると、原材料表示の簡素化や人工添加物への依存低減に対する規制当局や消費者の関心の高まりが、天然由来の原材料ソリューションへの需要を後押ししているとのこと。
世界の天然食品原材料の市場規模は2023年時点で210億ドル(約3兆3,100億円)であり、2030年には327億ドル(約5兆1,600億円)に達するとの予測があるといいます。
参考記事:
Dry4Good | LinkedIn
Dry4Good secures US$5.8 million to expand precision-dried ingredient production tenfold | PPTI News
Dry4Good expands natural ingredient production tenfold as clean label demand grows


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