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CO₂を完全タンパク質に変換するニュージーランド企業のJooulesが、プレシードラウンドで約0.9億円を調達

ニュージーランド企業では唯一ガス発酵技術の開発を進めるJooulesが、Sprout Agritechが主導するプレシードラウンドで、100万ニュージーランド・ドル(約9,250万円)の調達を行いました。

食品メーカーのScope 3排出削減に貢献


通常の発酵プロセスでは、微生物を増殖させるために大量の糖を供給する必要があり、この糖を生産するにあたって必ず何らかの作物に依存することになります。

これに対しJooulesが用いるのは、宇宙で最も豊富な元素である水素をエネルギー源に、CO₂を栄養源として消費する特殊な微生物(水素細菌)。この微生物を用いた発酵プロセスにより、タンパク質などの栄養価の高い分子を作り出します。

このプロセスは非常に資源効率性が高く、同社によると従来のタンパク源に比べ、水の使用量が600分の1、必要な土地面積が99%少なくて済むとのこと。

B2Bで原料供給を行うことにより、世界の食品メーカーのScope 3排出量* 削減に大きく寄与することができるといいます。

* 自社の直接的な排出をScope 1、間接的な排出をScope 2、それ以外のサプライチェーンにおけるすべての排出をScope 3と呼ぶ。

CO₂から得られる完全タンパク質


最終製品として得られる原料は、9種類の必須アミノ酸をすべて含み、国連食糧農業機関(FAO)が定める栄養密度の基準を満たした完全タンパク質

ガス発酵によるタンパク質は新規の食品原料であることから、市場参入を希望する国の食品安全当局から認可を得ることが必要です。Jooulesは当初の目標として、来年度にもアジア太平洋地域での市場参入を掲げています。

製品の用途としては、ヒトの食品やペットフードのほか、水産飼料への活用も視野に入れている様子。

「最終的には人間が食べるサーモンの餌になるため年間数百万トンも消費されているオキアミやカタクチイワシをガス発酵タンパク質で置き換え、水産養殖の持続可能性・効率性を高めることも考えている」と語っています。

参考記事:
New Zealand’s Jooules Raises $600,000 to Turn Carbon Into Food-Grade Proteins
Jooules on a mission to produce sustainable future food, with tech that ‘eats’ carbon dioxide – NZ Entrepreneur Magazine
Scion – The future of food: Scion hosting new Jooules research scientist

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