フィンランドのHappy Plant Protein、植物性タンパク質を生産する低コスト技術の開発で約3億円を調達

VTTフィンランド技術研究センター(VTT Technical Research Centre of Finland)からスピンアウトしたHappy Plant Proteinが、プレシードラウンドで180万ユーロ(約2億9,400万円)の調達を行ったと発表しました。

既存の押出成形機を活用してコストを削減


このラウンドは、Nordic Foodtech VCがリードインベスターを務め、Butterfly Venturesが参加。政府系機関のBusiness Finlandも助成金を通じて加わっています。

調達資金は、既存の押出成形機で高品質の植物性タンパク質を生産するHappy Plant Proteinの特許技術のさらなる開発に使用される予定。

既存の設備を用いるこの技術は、約1億ユーロ(約164億円)かかるとされる専用施設を設ける必要がなく、またエネルギーと水の使用量もはるかに少ないため、従来の植物性タンパク質分離物の製造方法に比べて大幅な低コストを実現します。

従来の製造ラインでは、1kgのタンパク質を製造するのに14メガジュール(MJ)のエネルギーを使用するといいますが、Happy Plant Proteinの製造プロセスでは、その7分の1のエネルギーしか使用しません。

世界中に技術のライセンス供与を目指す


Happy Plant Proteinは、押出成形を行う世界中の施設に対して、この技術のライセンス供与を行う計画。世界の食品業界には5千を超える押出成形ラインがあるといい、共同創業者でCEOを務めるJari Karlssonによると、同社のプロセスを採用することで、植物性タンパク質製造の投資・運用コストを最大90%削減することが可能です。

地元の食品メーカーやブランドは、輸入に頼ることなく植物性タンパク質を独自に生産することが可能に。これにより、わずかな投資で植物性タンパク質の活用が進み、新製品開発と市場化が加速される見込みです。また、新規の食品成分や製法に係る規制上の障壁もありません。

フィンランドの代替プロテイン研究を牽引するVTTからは、これまでにもSolar FoodsOnego Bioなどの企業が誕生していますが、Happy Plant Proteinはその中でも最新のスピンオフとなります。

参考記事:
Happy Plant Protein, company with patented technology raises EUR 1.8 million to go global  – Happy Plant Protein
Happy Plant Protein enables locally produced | VTT News
Happy Plant Protein Raises €1.8M for Technology Empowering Local Food Manufacturers to Produce Plant Protein

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