英Ivy Farmが食品メーカーのFinnebrogueと提携、培養和牛バーガーの開発を目指す

英国の培養肉メーカーIvy Farm Technologies(以下、Ivy Farm)と食品メーカーFinnebrogue Artisan(以下、Finnebrogue)が、培養和牛*1 バーガーの開発に向けて提携を発表しました。英国食品基準庁(FSA)の認可が下り次第、英国内で小売向けの提供を目指します。

英国内で待たれる培養肉への認可


Ivy Farmは、オックスフォード大学の研究プロジェクトからスピンアウトした企業。同地に最先端の研究開発施設とパイロットプラントを保有していますが、英国での認可の見通しが立たないため、米国やアジアなど外国での工場建設を計画しています。

一方、Finnebrogueの和牛バーガーは、2022年に雑誌『Which?』が選ぶ英国で最も美味しいハンバーガーに選ばれた製品。同社は味と品質にこだわったポークソーセージでも人気を博しています。2020年には、植物性食品のカテゴリーに進出し、新たな生産施設と自社ブランド「Better Naked」を立ち上げました。

従来の食肉製品を数多く手掛ける同社ですが、土地や水の使用料を抑え、CO₂排出を大幅に削減できるIvy Farmの培養プロセスを探求する考えです。

今回の提携により、Ivy Farmは、北アイルランドにFinnebrogueが保有する農場で飼育している牛の細胞を採取。細胞株を樹立した後、オックスフォードに保有する18,000平方フィート(約1670平方メートル)の生産施設で培養します。同社によると、すでに試験的な培養には着手しているとのことです。

*1 プレスリリースでは「Wagyu」となっていますが、元は流出した和牛の血統を引いた牛が海外でブランド化されたものであり、日本で厳密に定義される「和牛」とは異なります。細胞農業分野における「和牛」という用語の適切な使用については、細胞農業研究機構(JACA)がルール形成に向けた検討を行っています。
参考:Japan Association for Cellular Agriculture convenes key stakeholders for “Made in Japan” or “Wagyu-like” cultivated meat, in response to Japan PM Kishida’s intention to promote the industry | Business Wire

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