スウェーデンのRe:meatが食料品チェーンICAと提携、同国市場における培養肉の可能性を探求

スウェーデンの培養肉企業Re:meatが、市場における培養肉の可能性を探るべく、同国を中心に展開する食料品チェーンICAとの提携を発表しました。

持続可能なフードシステム構築へのコミットメント


提携の第一歩としては、まず培養肉に対する消費者の意識調査を行うことが挙げられ、両社は共同で「持続可能性に優れた食品の需要を生み出すために、必要な条件を特定する計画」。

ICA SwedenのMaria Gustavssonは、プレスリリースの中で、「消費者の受容が極めて重要であり、Re:meatと共同でこの点の探求を進めたい」と述べています。

また、EUで販売認可が降りるまでの期間に、試験的な培養肉生産も試みる予定とのことです。

ICAは、持続可能なフードシステムの実現に向けたイノベーションを主導する活動に力を入れており、地元企業との提携や支援を実施。以前、菌糸体ミートを手掛けるスウェーデン企業のMycorenaとも協働し、同社の製品開発に伴う市場と消費者の需要調査を行っていました。

環境意識の高い畜産農家とも協働


スウェーデン初の培養肉企業として設立されたRe:meatは、EUが提唱する「Farm to Fork(農場から食卓まで)」の視点を持って、地元の既存のエコシステムを尊重し、共に歩むことを大切にしており、よりバランスの取れた持続可能な食料生産を目指しています。

つい先日には、同じスウェーデン最南部のマルメにある畜産企業、Vismarlövsgårdenとの協働を発表。この畜産農家は、家族経営で成り立っている小さな村の農家ですが、スウェーデンで最も気候変動に配慮した牛肉生産者になるというビジョンのもと、先進技術を積極的に導入。

小規模の風力タービンとソーラーパネルからの発電によって、農場全体が再生可能エネルギーで動いており、消費電力を上回る発電量が得られているとのこと。その発電量を誰もがライブで確認できるという、透明性の高いユニークな取り組みを行っています。

Re:meatは、Vismarlövsgårdenの牛から採取した数個の筋細胞をもとに、食肉を培養。管理された環境下で細胞に栄養を与え続け、2週間ごとにひき肉を収穫しています。

今年ステルス戦略から脱却した同社は、すでにスウェーデンの国民食であるミートボールを、細胞培養により製造したと発表。来年にも大規模なパイロットプラントの建設を予定しているといい、安価な培養ミートボールが一般的に食べられるようになる日も近いかもしれません。

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