Oshiの植物性サーモン、サンフランシスコのフォーシーズンズホテルで提供開始に

代替シーフードを生産するイスラエルのOshi(旧称:Plantish)が、世界各国に展開する高級ホテルチェーン、フォーシーズンズ・ホテルズとの提携を発表。植物由来のホールカットサーモンが、サンフランシスコにあるホテル内のレストラン&バーのメニューに採用されました。

この動きは、同ホテルグループの「持続可能な贅沢品を追求する継続的なコミットメント」の一環とのことで、2025年には他店舗への展開も予定されています。

複数の原料を組み合わせたホールカットサーモン


Oshiのホールカットサーモンは、マイコプロテイン、大豆タンパク質、藻類エキス、植物油、米粉をブレンドして作られる製品です。世界的に有名なフォーシーズンズに採用されたことで、植物性シーフードが高級レストランのメニューとして十分な役割を果たすことが示されました。

同社は、複数の原料を組み合わせる際、独自のモジュール式レイヤリング技術を活用。植物性タンパク質と藻類エキスの層の間に脂肪を組み込むことで、従来のサーモンに似た筋組織の構造を作り出します。

サーモンの特徴的な味と食感を生かしながらも、水銀や抗生物質による汚染がなく安心・安全で、乱獲による影響も受けない代替品の供給を推進しています。

CEOのOfek Ronによると、同社はこの独自製法についての特許を先日取得。昨年末には、菌糸体に対する規制の面でイスラエルに比べて進んでいる米国へと進出し、共同製造施設を立ち上げました。

2025年までには小売店でも植物性サーモンを発売し、EUでの試験販売も開始する予定だといいます。

ハイエンド市場を主要ターゲットに設定


Oshiのサーモンは今年、ニューヨークのUrban Vegan KitchenMercury Bar West、ロサンゼルスのBeeWali’s Vegan AFなど、全米の多くのレストランで展開されています。

その一方で、同社は当初、外食業界の中でもハイエンド市場をターゲットに据えており、フォーシーズンズとの提携でその口火を切った形となりました。

食品は、消費者が今以上にお金をかけたいと思う最たるものの一つであることを考えると、これは理にかなった動きといえるでしょう。昨年YouGovが行った世論調査によると、今後12カ月間に高級品のカテゴリーに入る肉や農産物を購入を考えている消費者は、米国人の4人に1人を超えていました(27%)。

同時に、海洋管理協議会(MSC)が実施した世界的な調査では、回答者の半数近く(48%)が乱獲を、35%が気候変動への影響を懸念している中、30%の人がこの2年間でシーフードを食べる量を減らしていることが判明。この期間に食生活を変えた人は80%を超え、そのうち43%が持続可能性を理由としています。

参考記事:
Four Seasons Hotel Reels In Vegan Seafood at San Francisco Restaurant
How the Four Seasons Hotel is Redefining Luxury Dining with Oshi’s Plant-Based Salmon

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