MeatableがTruMeatと提携、シンガポールで培養肉工場の建設を目指す

完全に分化した筋細胞と脂肪細胞をわずか4日で生産する技術を誇るオランダの培養肉企業Meatableが、世界的な商用化を推進するべくシンガポール企業TruMeatとの戦略的提携を発表しました。
今年中の着工を予定
両社の提携は、TruMeatの専門知識を活用した生産工程の最適化と培地の開発、そしてシンガポールにおける新工場の建設を主眼としたもの。
施設の運営は現地のTruMeatが担い、Meatableの技術を利用して、従来の食肉と競争力のある価格の実現に重点を置いた大規模な培養肉生産を実施します。
新工場は、商業パートナーの製品テストや上市をサポートするのに必要なレベルの量およびコストでの生産が可能となる見込み。バイオリアクターのサイズや生産能力の詳細はまだ明らかにされていませんが、両社は今年中に建設を開始する予定です。
MeatableのCEOを務めるJeff Tripicianは、「これは培養肉を身近で手頃なものにするという当社の試みにおける次なるステップだ。TruMeatの持つ専門知識を全面的に信頼しており、共にプロセスを最適化し、効率的に規模を拡大できる自信がある」とコメント。
さらに、このたびの提携により食肉業界を変革し、消費者に持続可能な代替食を提供するソリューションに一歩近づくことができると説明しました。
規制認可に先立ち市場化の準備を進める
Meatableの技術は、既存の食肉産業のサプライチェーンに統合できるような設計が特徴。TruMeatも同様に、コスト効率と信頼性の高い大規模生産を保証するため、培養肉技術の拡張とグローバルなサプライチェーンの構築に注力しています。
現在Meatableは、シンガポール当局からの販売認可を待っている最中で、当初は今年の第1四半期までに認可が下りると予想していたものの、遅れが生じている様子。新規食品への判断については国際的な協力枠組みも存在することから、同社は他国へも展開する際の足掛かりとして、この認可を利用したい考えです。
足元では、200リットルのバイオリアクター(500リットルまで拡張可能)を備えたオランダ・ライデンの施設をベースに事業を展開。シンガポールでは、すでに2回の試食イベントを開催したほか、培養肉の受託生産施設として世界初の認可を受けたEsco Asterや、植物性タンパク質メーカーのLove Handleと提携してきました。
昨年11月には、アジア全域における成長とプレゼンス拡大を加速させたい考えで、タイを代表する総合食品企業のBetagroから投資を受けています。
つい先日にはFood Tank、The Hunger Project、国連グローバル・コンパクトといったNGO・NPOと提携し、世界の食料生産システムにおける環境的・社会的課題に対処するための業界ネットワークを拡大しました。
参考記事:
TruMeat and Meatable Partner to Build First High-Volume Cultivated Meat Facility in Singapore
Meatable Bets on Singapore Factory for Global Scale-Up of Cultivated Pork
Meatable aims to start construction of pilot-scale cultivated meat facility in Singapore later this year
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