米Puretureが酵母由来カゼインのGRAS自己認証を取得、プロテインシェイクとして製品化も

米国・ニューヨークのスタートアップ企業Puretureが、国内で食品・飲料製品に自社の酵母由来タンパク質を使用するためのGRAS(一般的に安全と認められる)自己認証を取得しました。
新しいタイプの機能性タンパク質開発を目指す
Puretureは、独立した専門家パネルによる審査を経て、自社の発酵タンパク質がGRAS(一般的に安全と認められる)物質に該当することを自ら確認しました。
安全性の根拠を確立して、この原料を全米の食品メーカーに向けて販売できるようになりましたが、GRAS自己認証制度は今後廃止に向けた検討も進められており、先行き不透明な状況。
多くの企業が米国食品医薬品局(FDA)への通知を行って正式なFDA GRASの取得を選択していますが、Puretureの創業者でCEOを務めるRudy Yooは「規制環境の変化を継続的に注視している」とだけコメントしています。
Puretureは2022年にArmored Fresh Technologiesとして設立され、その翌年にソウルを拠点とするYooの代替乳製品スタートアップ、Armored Freshとの分離を図るため、社名を変更しました。
これまでの成果として、牛乳の主成分であるカゼインの酵母由来の代替品を開発しています。この機能性タンパク質は、独自の酵母(Saccharomyces cerevisiae)株を発酵させて作られる新規原料。
非遺伝子組み換えで、アレルギーの原因ともならず、良質なタンパク質の基準を示すPDCAASスコアは最高値の1.0で、乳製品や卵のタンパク質と同等です。2023年の発表時には、高い生産効率によってコストを抑え、既存の乳製品原料より20〜30%低い価格で供給できるとしていました。
「合成添加物に頼ることなく、乳化と構造の安定をもたらすクリーンラベル原料の開発に注力してきた。単一の成分の代替を目指すのではなく、幅広い食品・飲料用途において配合した際の機能性を向上させられる、新しいタイプの機能性タンパク質の開発を目指している」とYooは語っています。
超加工食品(UPF)への懸念から、クリーンラベル成分への需要が高まっている昨今。世界的に見ても、消費者の77%が原材料のシンプルさを「必須の」または「あった方が良い」製品特性と考えており、69%が消費する食品・飲料の成分に高い関心を寄せています。
米国のタンパク質摂取ブームに乗じて製品化

Puretureが食品業界向け原料の技術プラットフォームに特化して事業を展開している一方、Armored Freshではその技術を活用した製品開発と商業化に取り組んでいるとのこと。
Puretureの酵母タンパク質は初期段階の応用例として、Armored Freshが先日展開を開始したプロテインシェイク「PIILK」の原料として供給されています。
消費者の関心は高く、この製品には発売前からすでに1,000人近くの予約があったといい、CEOのYooは「食品企業との協業機会を探っているところで、業界パートナーとの協議を続けている。初回生産はすでに始まっており、パートナーの需要に応じて生産能力を拡大していく予定だ」と述べています。
GRAS自己認証の中で、同社の原料は「カルシウム強化酵母タンパク質(calcium-fortified yeast protein)」と表記されており、米国で広がるタンパク質摂取ブームに乗りたい考えです。
酵母由来のタンパク質を手掛けるスタートアップ企業には、クリーンラベルの代替卵原料を生産するオランダのRevyve、使用済みのビール酵母をプロテインバーのような製品に加工するスイスのYeastupなど。
インドでは、SuperYouが酵母プロテインパウダーを発売し、国内のスターバックスでプロテイン入りコールドフォームとして提供されています。
参考記事:
Pureture Cleared to Sell Yeast-Derived Functional Protein in the US
Pureture advances functional protein platform with US GRAS clearance and commercial momentum | PPTI News


この記事へのコメントはありません。