英国のuFraction8が約6.4億円を調達、バイオマス生産を最適化する精密ろ過技術の商用化へ

英国・スコットランドに拠点を置くバイオエンジニアリング企業uFraction8が、Foresight Groupが主導するシードラウンドで340万ポンド(約6億4,400万円)を確保したと発表しました。
バイオプロセスの低コスト化と拡大を支援
このラウンドには、エディンバラ大学の社内ベンチャー投資ファンドOld College Capital、スコットランド開発公社(Scottish Enterprise)、Alwyn Capital、既存投資家のThia Venturesが参加。
uFraction8が100%子会社を有するポーランドの企業開発庁(PARP)から獲得した、150万ポンド(約2億8,400万円)の助成金も含まれています。
同社は、食品、飼料、バイオベース製品の生産に使用される従来の方法に代わる持続可能でエネルギー効率の高い方法として、細胞培養やバイオマス生産を最適化する精密ろ過技術を開発。
元はエディンバラ大学工学部で開発されたこの技術は、バイオプロセスのコストを下げ、スケーラビリティを高める可能性があると期待されています。
調達した新たな資金は、この技術の商用化に使用され、微細藻類産業の生産プロセスを変革し大幅な低コスト化を実現する技術革新を支援します。
微細藻類とバイオ医薬品をターゲットに設定
Brian MillerとMonika Tomeckaが2017年に設立したuFraction8は、スコットランドとポーランドに計7名の従業員を擁し、2022年にはThia Venturesが主導したラウンドで250万ポンド(約4億7,300万円)の調達を実施しました。
『Nature』誌に掲載され、欧州、米国、日本などの主要市場で特許を取得している同社の生産技術では、99%以上の収率を達成しながら、生産量を2万リットルまで拡大することが可能。
このシステムは複数の分野に応用が効くものの、2030年までにそれぞれ年間30億ドル(約4,520億円)と300億ドル(約4兆5,200億円)規模になると予測される、微細藻類およびバイオ医薬品の市場をターゲットに据えています。
同社に投資を行ったスコットランド開発公社のKerry Sharpは、「バイオテクノロジー産業はスコットランドにとって成長機会をもたらす重要分野だ。その中でuFraction8のような企業は、規模を拡大し、価値の高い雇用を創出し、国際的な競争に打ち勝つことで、経済の変革に重要な役割を果たすことができる」と語っています。
参考記事:
uFraction8 secures £3.4m in funding to advance microfiltration technology | The Cell Base
Pioneering continuous bio-separation technology company, uFraction8 closes £3.4m seed funding round
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