インドの精密発酵企業StrainX Bioworksが、20億円超を調達してステルスモードから脱却

インドの合成生物学企業StrainX Bioworksが、1,300万ドル(約20億7,000万円)の資金調達に成功し、ステルスモードから脱却して事業化に向けて動き出しました。

精密発酵技術を用いて、高付加価値の食品および栄養成分を世界市場に供給する計画です。

米国で規制当局の認可を取得


今回の資金調達ラウンドは、Prime Venture PartnersLeo Capitalが主導し、Good Startup、Sparrow Capital、Sun Icon Ventures、Dholakia Ventures、WindT Angelsが参加しました。

生物学を基盤とするディープテックに特化し、Impossible FoodsやEat Just、UPSIDE Foodsなど代替プロテイン分野の多くの企業に投資しているファンドのGood Startupは、今回の取引がインドへの初投資となります。

インド工科大学デリー校(IIT Delhi)を卒業したAkshay MittalAlok Malaviyaによって設立されたStrainX Bioworksは、約3年間をかけて菌株の設計、プロセス開発、スケールアップ、下流工程の構築、そして事業化に至るまで、さまざまな能力を社内で培ってきました。

同社の製品ポートフォリオに含まれる具体的な分子は公表されていませんが、うち一つは米国でGRAS(一般に安全と認められる物質)自己認証を取得済みで、販売が可能な状況。そのほか、インドでも複数の成分について規制当局の承認を待っている状況です。

10万リットル規模への拡張を目指す


受託パートナーに頼るのではなく、自社で発酵生産体制を整備するという決定は、戦略的な意図と必要性の両方を反映したもの。インドにおける精密発酵インフラはこれまで医薬品分野に特化しており、食品グレード原料の生産には空白が生じていました。

StrainX Bioworksが稼働させている1万リットルの発酵能力を持つ生産施設は、モジュール式の設計で、10万リットル規模への拡張も視野に入れています。

「当社はインドを拠点にフルスタックの精密発酵企業を作り上げており、独自技術の開発、スケールアップ、生産施設の構築、製品開発、商業化までを自社で行っている。このレベルの統合こそが、イノベーションと大きなコスト優位性を生み出し、食品原料分野において長期的な価値を創造するために不可欠だと考えている」とCEOのMittalは語っています。

2023〜24年にかけての厳しい状況を受け、欧米市場では投資家の精密発酵への関心が冷え込んでいますが、今回の資金調達は新興市場のバイオテクノロジーインフラに対する継続的な信頼の表れといえるでしょう。

Prime Venture Partners代表のBrij Bhushanは、「StrainX Bioworksは、バイオテクノロジー分野では滅多に見られない2つの要素、すなわち高度な科学研究と鋭い事業遂行能力を兼ね備えている点で際立っていた」と評価しています。

インドでは、Praj Industriesが先月、インドの「高性能・低炭素バイオ製造」への移行促進を目指して新たな精密発酵ラボを開設。PreferCoは、バイオテクノロジー大手のGlattと提携し、精密発酵スケールアップセンターを開設しました。

米国のパイオニア企業Perfect Dayは、現地の製薬大手Zydus Lifesciencesの合弁事業として、今年インドで新たな生産施設の稼働開始を予定しています。

参考記事:
Synthetic Biology Startup StrainX Bioworks Raises USD 13 Mn
StrainX Bioworks Raises $13M to Scale Precision Fermentation Food Ingredients in India
StrainX has raised $13M from the VC Firm behind Impossible Foods in One of the Largest Food Tech Private Funding Rounds in India’s History
StrainX Bioworks raises $13 million to scale microbial fermentation from India | Newswire | Protein Report

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。