ノボ ノルディスク財団の支援を受けるReact Foods、ガス発酵の実証に向け大学研究からスピンアウト

デンマークの首都コペンハーゲンを拠点とするReact Foodsが、大学の研究成果を基盤とするスタートアップ企業として新たに設立されました。
CO₂とグリーン水素をタンパク質豊富な酵母バイオマスに変換する2段階発酵プロセスの、実証と規模拡大を進めます。
パイロット施設でスケールアップを進める
React Foodsは、オーフス大学、スタンフォード大学、テュービンゲン大学と、ノボ ノルディスク財団のCO₂研究センター(CORC)との連携による研究成果を基にスピンアウト。
BioInnovation Institute(BII)からコンバーティブル・ローン* の形で420万デンマーク・クローネ(約1億円)の資金を調達し、ガス発酵の分野へと参入を果たした最新の企業となりました。
運営チームは、Michael Martin(CEO)、Nils Rohbohm、(CTO)、Alberto Robazza(CSO)の3名で構成されています。Martinは、米国の合成生物学企業LanzaTechで役員を務めていた人物。残りの2人はオーフス大学の博士研究員で、CORCのメンバーでもあります。そのほかにも、上述した各大学の研究員が、会社の科学諮問委員会に名を連ねています。
同社は、デンマーク中部にあるオーフス大学の研究キャンパス「AU Viborg」のパイロット施設にて、スケールアップに向けた取り組みを進める予定。
Martinは、「耕作地を必要とせず、異常気象や地政学的な不確実性の影響も受けにくい、持続可能なヴィーガン対応の代替品を創出することで、既存のタンパク質バリューチェーンを補完する狙いがある」と話しています。
* 日本の「新株予約権付社債」に近く、スタートアップ企業のシード資金調達によく活用される手法。
2段階の発酵プロセスを統合
オーフス大学は、砂糖の代わりにCO₂由来の酢酸塩(または酢)を原料とした微生物タンパク質の生産を目指し、2023年にノボ ノルディスク財団とビル・ゲイツの財団が立ち上げた「Acetate Consortium」に参加しています。
この技術の最初の段階では、微生物がCO₂と水素を酢酸塩に変換します。続いて、この酢酸塩を酵母に供給すると、酵母は増殖しながらタンパク質を豊富に含むバイオマスを生成。これらは食品に使用するため、適切な風味や機能的特性を備えた素材へとさらに加工されます。
React Foodsのパイロット段階では、この2段階の発酵工程が、統合された1つのシステムとして機能し得るかどうかを検証することが目的。その結果を踏まえて、さらなる規模拡大や投資、産業界との提携に関する判断を行う計画です。
最終的に得られる原料は、プロテインバーをはじめ、卵タンパク質・乳タンパク質の代替素材として位置付けており、食生活における新たなタンパク源とすることを目指しています。
オーフス大学生物・化学工学科の長を務めるLars Ottosen教授は、「CO₂から食品を生産するというコンセプトは、新たな耕作地を必要とせずにタンパク質を作り出す機会をもたらすが、個々のプロセスで成功しただけでは不十分だ。それらを組み合わせて効率的なシステムに仕上げ、最終的には産業規模で動かせるようにする必要がある」と指摘。
「AU Viborgのパイロット施設では、まさに異なるプロセスを組み合わせて、統合されたシステムがどのように機能するかの検証に取り組んでいるところだ」と述べています。
参考記事:
React Foods Launches with DKK 4.2M to Pilot Farmland-Free Yeast Protein in Denmark
Backed by Novo Nordisk Foundation, React Foods Turns Gases Into Whey & Egg Protein Replacers
React Foods takes CO₂-to-protein technology from university research to pilot scale | PPTI News


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