オランダで官民連携の「ECOFERM」コンソーシアムが始動、精密発酵向けの連続発酵技術を推進

オランダに拠点を置く6つの企業や研究機関が、官民連携のコンソーシアム「ECOFERM」を設立しました。精密発酵を連続的に行い、牛乳の主要なホエイタンパク質であるβ-ラクトグロブリンなどを生産するプロセスの実証を目指します。
微生物を凝集させて、製品回収時のロスを回避
コンソーシアムの構成メンバーは、受託研究機関のNIZO Food Research、今年6月にオープンしたオープンアクセスの発酵拠点Biotechnology Fermentation Factory(BFF)、精密発酵を手掛けるDAB.bioとVivici、化学・原料大手のdsm-firmenich、およびヴァン・ホール・ラーレンスタイン応用科学大学(VHL)です。
向こう2年間の活動資金は、オランダにおける食品分野のイノベーションを意図したプロジェクトに対し、産業界、研究機関、政府が共同で資金を拠出するプログラム「TKI Agri & Food」から提供されています。
現在、商業的な精密発酵はフェドバッチ(流加培養)方式に依存しています。この手法では、1回の生産サイクルが終わるたびに発酵タンクを空にして洗浄・滅菌を行う必要があり、それがダウンタイムやコストの増加につながってしまいます。
一方、連続発酵では、製品(生成物)を回収しつつタンクを稼働させ続けることができますが、既存の連続発酵システムでは、製品の回収時にタンパク質を産生する微生物の一部が失われてしまうほか、長期間の稼働中にコンタミネーションや収量の低下が発生し、工程が中断されるリスクも無視できません。
「ECOFERM」では、微生物の細胞を凝集させてタンク内に留めることで、微生物のロスを避け、製品だけを取り出せるようにすることを目指しています。これが実現すれば、通常は細胞と製品との分離に用いられる、エネルギー消費の大きいフィルターや遠心分離機が不要になります。
連続発酵で生産効率の向上を目指す
本プロジェクトは、DAB.bioが特許を保有している「FAST」バイオリアクターを用いて実施され、その成果はβ-ラクトグロブリン以外の発酵由来成分の生産にも応用できると期待されています。
NIZO Food ResearchおよびBFFのプロジェクトマネージャー、Robyn Eijlanderは「精密発酵は、より持続可能な食料システムに貢献する大きな可能性を秘めているが、生産の経済性を向上させるにはプロセス面でのさらなるイノベーションが必要だ」と指摘。
「ECOFERM」は、「連続発酵と効率の良いバイオマス保持を組み合わせることで、資源消費や環境負荷を低減しつつ生産性を高めるという、この分野で最も有望な取り組みの一つに焦点を当てている」とコメントしました。
コンソーシアムに参加しているViviciは、dsm-firmenichの支援を受けて設立されたスタートアップ企業であり、すでに「Vivitein」ブランドの下、米国で精密発酵β-ラクトグロブリンの展開に成功しています。昨年には、インディアナ州での生産に向けてLiberation Labsとの製造契約を締結しました。
DAB.bioのCEOを務めるEric van der Meerは、「連続発酵は、精密発酵技術の成熟に向けて極めて重要な次なるステップだと広く認識されている。今回の共同の取り組みを通じて、代替プロテイン産業において連続生産を実用化するために必要な知見を創出し、技術を実証したい」と述べています。
参考記事:
ECOFERM Consortium Launches to Advance Sustainable Continuous Fermentation for Alternative Proteins | NIZO
DAB.bio joins ECOFERM consortium for continuous precision fermentation
Vivici, dsm-firmenich and DAB.bio Test Cell Clumping as a Route to Continuous Precision Fermentation
ECOFERM consortium targets lower-cost precision fermentation with continuous production | PPTI News


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