培地(medium)
培地(medium)とは:
培養肉生産において、分裂する細胞の餌となる材料。液状の「培養液」であることが多いが、固体・液体にかかわらず「培地」と呼ぶのが一般的。
アミノ酸、グルコース、ビタミン、無機塩類などの基本的な栄養を供給する基礎培地に、細胞の成長を促進する成長因子が添加されている。
従来広く使われてきた培地には、成長因子として血液から得られる希少成分(ウシ胎児血清)が含まれるが、これを採取するためには殺処分が必要という問題があった。
米Hampton Creek(現:Eat Just)では、他社に先駆けて2017年にアニマルフリーの培地開発に成功。
その後、血清を使用しない培地が次々と考案されているものの、一説によると培地はいまだに生産コストの80%を占め、培養肉の低価格化を図る上での障壁となっている。
日本のインテグリカルチャーは2023年、血清などの成長因子を一切使うことなく培養フォアグラの生産に成功。英国のMultusは世界で初めて無血清培地の大型工場を開設し、受託生産も可能な体制を整えている。