The Vegetarian Butcher、植物性代替肉にThe EVERY Companyのアニマルフリー卵白を使用
英ユニリーバ傘下の植物性代替肉ブランドThe Vegetarian Butcherが、米国のThe EVERY Companyとの提携を発表しました。
精密発酵による卵白タンパク質原料「EVERY EggWhite」を使用して、植物性代替肉の食感と栄養プロファイルを強化する目的です。
従来の卵と同一のオボアルブミン
精密発酵により生産された「EVERY EggWhite」は、動物由来成分を一切使用することなく、従来の卵のゲル化特性や結合特性を再現した製品。
この手法では、環境負荷を大幅に低減しながら、高品質で機能性に優れたタンパク質を生産することが可能です。
EVERY EggWhiteは、生物学的に従来の卵と同一のため卵アレルギーの警告は必要なものの、生産において動物由来の原料を使用していないため、The Vegan Societyからヴィーガン認証を取得済み。
従って、これを卵白の代わりに原料として用いることで、既製品のヴィーガン対応が可能になります。
メチルセルロースの代替でクリーンラベルを実現
The Vegetarian Butcherは、主力商品であるハンバーガーパティの「つなぎ」としてEVERY EggWhiteを活用。以前から使われてきたメチルセルロースを置き換えることでクリーンラベルのヴィーガン製品を実現しながら、食感と栄養を強化する狙いです。
メチルセルロースはつなぎやゲル化剤として業界で広く使用されていますが、複雑な名称、加工の多さ、そして下剤に使われていることなどもあり、消費者から避けられる一因ともなってきました。
2022年にはBeyond Meatがメチルセルロースを使用しているにもかかわらず製品ラベルに「all-natural」と表記していたことで、消費者から訴えを起こされています。
とはいえ、無毒でアレルゲンを含まないメチルセルロースは、食品原料として理想的。加熱で固まり、冷えると溶ける「熱可逆性」というユニークな特性を持ち、肉らしいジューシーな弾力のある食感をもたらす、代替が難しい原料となっていました。
The Vegetarian Butcherは、かなり以前からメチルセルロースを配合から取り除く方法を探していたようで、「EVERY EggWhiteは比較的シンプルで簡単な製品で、卵白をそのまま置き換えられることが鍵となった」としています。
より広範な市場化の可能性も追求
グローバル展開に積極的なThe EVERY Companyは、複数の市場における広範な用途で、この原料の活用を模索。
すでに米国でGRAS(一般に安全と認められる)ステータスを取得しており、現在はEUと英国で新規食品(Novel Food)の認可申請を行っています。
昨年10月には、コロンビア最大の食品加工コングロマリットGrupo Nutresaと提携。同社の代替肉製品に使われていた卵白を置き換え、味と食感を向上させる取り組みを共同で進めることとなりました。
The Vegetarian Butcherの製品も、本社を置くオランダをはじめ、スペイン、ドイツ、英国、さらには中米のプエルトリコまで、世界中の数多くの市場で販売されています。親会社のユニリーバも同様に、複数の市場でEVERY EggWhiteの使用を検討している様子です。
参考記事:
The Vegetarian Butcher to Use The Every Company’s Animal-Free Egg Whites for Plant-Based Meat
The Vegetarian Butcher to Veganize Products With The EVERY Co.’s Animal-Free Egg Whites
Unilever brand The Vegetarian Butcher partners with ‘animal-free’ egg protein pioneer The EVERY Co
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