Redefine Meatの3Dプリントしたフランクステーキ、欧州の小売店で販売開始

イスラエルの代替肉メーカーRedefine Meatが、3Dプリントしたヴィーガンフランクステーキを英国とスイスの小売店で発売しました。続けてオランダでも間もなく発売となる見込みです。

小売り進出が増加する3Dプリント食品


この植物性代替肉は、Redefine Meatの主力商品の一つとして、欧州9カ国以上の4千を超える外食店舗で展開されているもの。このたび、英国のネットスーパーOcadoと、スイスのコープでの発売が決まりました。

オランダのJumbo、Albert Heijn、Crispでも間もなく取り扱い開始予定で、その後ドイツとイタリアでも展開される計画です。

Ocadoは昨年11月にハンバーグや牛ひき肉など、Redefine Meatの冷凍商品6種の取り扱いを開始。顧客からの評価も上々だといい、今回初となるホールカットの植物性ステーキの発売にも期待を寄せています。

3Dプリントした代替肉・シーフードが初めてスーパーの店頭に並んだのは、昨年9月。オーストリアのRevo Foodsが、ホールカットのサーモンフィレ「THE FILET」を発売しました。

その後、スペイン企業のFoody’sCocuusが共同開発した植物性ベーコンが、昨年11月にカルフールにデビュー。英国のNourishedは、今年初めにコープと契約を結び、ヴィーガン向けサプリメントとして3Dプリントグミを発売しています。

植物ベースの組織工学


Redefine Meatのフランクステーキは、小麦、大豆、ジャガイモのタンパク質をベースに、大豆粉と小麦粉、菜種油、コーンスターチ、天然香料、マルトデキストリン、大麦麦芽、塩、着色料で作られています。

オランダの工場で、特許取得済みの3Dプリンティングによる製造を行うことで、より肉らしい風味が得られ、肉食の人々を満足させる繊維質の食感を生み出します。

「植物ベースの組織工学」と呼ばれるこのプロセスでは、テクスチャード植物性タンパク質(textured vegetable protein:TVP)を繊維状に分解し、大豆やエンドウ豆のタンパク質分離物から作られた生地とブレンド。

このアプローチにより、TVPの持つ肉に近い食感を、柔軟な方法でスケーラブルに再現することができるとのことです。

同社が今年初めに発表したホワイトペーパーでは、「筋肉成分は牛肉の異方性繊維構造を模倣するよう再構築し、脂肪成分はハイドロコロイド・マトリックス内の脂質カプセル化により設計する」と説明されています。

栄養・環境面でのメリット


3Dプリンターで作られたステーキは、1人前(100g)あたり25gのタンパク質と3gの繊維質を含み、コレステロールの含有量はゼロ。

欧州の多くの消費者が重視するNutri-Scoreでは最高ランクの「A」を獲得しており、植物性代替肉としては比較的クリーンラベルも実現できています。

ライフサイクルアセスメントでは、従来のハンバーグに比べ、水使用量を96%、土地利用を98%、温室効果ガス排出量を91%削減できるとのこと。

共同創業者でCEOのEshchar Ben-Shitritは、「6年前にRedefine Meatを設立したとき、一般消費者が購入し、家庭で調理できる高級品質のステーキを発売するという、大胆かつ不可能とも思える目標を掲げていた」とコメント。

「料理界の最高峰の品質基準を満たす製品づくりに、これまでの道のりの大半を費やしてきたが、この努力の成果を、最高の小売りパートナーを通じて消費者に直接届けられることを誇りに思う」と語っています。

参考記事:
Redefine Flank Steak Launches in Retail across Europe – bringing the World’s First New-Meat Premium Cut to Consumers | Redefine Meat
New Meat: Redefine Meat Debuts 3D-Printed Flank Steak in European Retail

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