植物ベースの食事を与えた犬の健康状態に関する調査、肉ベースの場合を大きく上回る良好な結果に

植物ベースの食事が犬の健康に及ぼす影響を調べた新たな研究結果が、査読付き学術誌『Heliyon』に掲載されました。

すべての指標で肉ベースの食事を上回る結果に


この研究では、従来の食肉、生肉、植物ベースの食事を1年以上にわたって与えられた2,536頭の健康状態について、病気に関する7つの指標と22の健康障害を調査

その結果、7つの指標すべてにおいて、植物性のフードを与えた犬は従来のフードを与えた犬を上回っており、統計的に有意な差が見られたといいます。

また、22の健康障害のうち6つ(体重の問題、筋骨格系の問題、胃腸の問題、歯や口腔の問題、肛門腺炎)についても発症する可能性が50%以上低下し、植物性のフードを与えた犬により多く見られた健康障害はありませんでした。

さらに、植物性のフードを与えたグループは、従来のフードを与えたグループよりも年に複数回動物病院を受診した割合が21%、体調不良が見られた割合が33%低く、投薬を受けた割合も有意に低くなりました。

生肉を与えたグループは従来のフードを与えたグループよりも予後が良かったものの、植物性のフードを与えたグループに比べると悪かったとのこと。

論文の著者らは、普段から生肉を与えている飼い主は獣医の下を訪れる可能性が低く、こうした犬の健康状態はさらに悪い可能性があることを指摘。また、生肉食は病原菌による汚染や栄養不足のために健康を損なう可能性があると注意を促しています。

愛犬の健康を保ちながら環境保護も


植物ベースの食事が犬の健康に良いことを示した研究は、ほかにも存在します。

2022年に英国のペットフードブランドOmniが行った調査では、同社の植物性フードに切り替えた飼い主から、犬の消化や活動レベルの改善など、統計的に有意な変化がいくつも報告されました。

昨年カナダで実施された別の研究では、植物ベースの食事と肉ベースの食事を与えた犬の健康状態は、同様に良好であったと結論づけられています。

これらの研究結果を受け、英国獣医師会(BVA)は先日、従前の方針を変更し「犬に植物ベースの食事を与えることは可能である」と認めました。

今回行われた研究は、健康状態に影響を及ぼし得る医学的に関連した人口統計学的特徴をコントロールし、獣医の受診頻度といった客観的データも考慮している点で、さらに注目に値するものといえるでしょう。

研究を主導したAndrew Knightは、「ヴィーガン食は環境面でも非常に大きなメリットをもたらすもので、愛犬の健康を最大限に保ちながら環境保護も行いたいと考える飼い主にとっては、非常に良いニュースだ」とコメント。

ただし、「ペットフードのラベル表示をチェックし、信頼できるメーカーの製品を購入するなど、栄養学的に優れた食事であると常に確認することを怠ってはならない」と注意喚起を行っています。

参考記事:
Article: vegan dog health – andrewknight.info
How Much Do Vegan Diets Improve the Health of Dogs? | Newswire
Study Finds Superior Health Outcomes in Dogs Fed a Plant-Based Diet

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