Believer Meatsが食品機器大手のGEA Groupと提携、培養肉生産の低コスト化を目指す

イスラエルのBeliever Meatsと、食品メーカー向けの世界的な加工機器サプライヤーGEA Groupが、培養肉をより手頃な価格で入手しやすくするための戦略的提携を発表しました。

灌流培養と培地の再利用を促進


この提携は、培養肉生産のユニットエコノミクス(単位あたりの経済性)と持続可能性を向上させる技術とプロセスの共同開発に重点を置いたもので、まずは鶏肉から始め、将来的にほかの製品にも拡大する可能性があるとのこと。

GEA Groupは、Believer Meatsの細胞培養に特化したバイオリアクターを独自開発し、試運転を行う予定。遠心分離を用いた灌流と培地の再利用により、高い細胞密度と収率を達成するよう設計することで、生産コスト低下、技術移転の簡素化、効率的な事業拡大が可能と見込んでいます。

さらに、水と電力の使用量を最適化し、廃棄物を活用するなどの循環型経済の取り組みを実施することで、持続可能性の面でもより一層の向上を目指します。

このパートナーシップはまた、技術的な進歩にとどまらず、両社の強みとリソースを活用するための合弁事業の設立も視野に入れたものとなっています。

スケーラビリティの最大の障害を克服


現在Believer Meatsは、米国・ノースカロライナ州に世界最大の培養肉生産施設を建設中。2025年初頭の稼動を予定するこの施設は、少なくとも年間12,000トンの培養鶏肉を生産できるものです。

同社が実施し先日『Nature Food』誌に掲載された研究では、培養肉の連続生産により、業界が直面するスケーラビリティとコストの課題にどのように対処できるかが示されていました。

同社は、今年5月にベゾス・アース・ファンド(Bezos Earth Fund)がノースカロライナ州立大学に設置した代替プロテインセンター、6月にアラブ首長国連邦(UAE)のAGWA(AgriFood Growth & Water Abundance)との提携を実施。今回の提携はこれらに続くものとなります。

CEOのGustavo Burgerは、「エンジニアリングと機器生産を手掛ける世界有数の企業と提携することで、スケーラビリティの最大の障害を克服できる。培養肉製品を適切なコストで生産するために必要な、最先端技術とプロセスエンジニアリング能力を革新したい」と意気込みを示しています。

一方のGEA Groupは、今年3月に製品品質の担保とコスト削減を実現する灌流培養プラットフォームを発表。

5月にはウィスコンシン州で、代替プロテインの開発に焦点を当てたテクノロジーセンターの建設を開始し、2025年の開設を計画しています。

参考記事:
Believer Meats & GEA Partner to “Produce Cultivated Meat Products at the Right Cost”
Ahead of Opening World’s Largest Cultivated Meat Factory, Believer Meats Taps GEA to Drive Down Costs

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