米Oobliが、精密発酵で生産した甘味タンパク質「モネリン」のFDA GRAS認証を取得
甘味タンパク質を開発する米国・カリフォルニア州のOobliが、精密発酵により生産したモネリンについて、米国食品医薬品局(以下、FDA)のGRASステータスを取得したと発表しました。
強い甘味を持つ代替品で砂糖の使用を削減
OobliはFDAからの「No questions(異議なし)」レターを受領。これにより、甘味タンパク質モネリンのGRASステータスが正式に認められ、米国での飲料・食品原料としての使用にあたり、安全性に関してのお墨付きを得ました。
モネリンは、西アフリカ原産の植物ディオスコレオフィルム・ヴォルケンシー(Dioscoreophyllum volkensii)の果実から発見された甘味を持つタンパク質で、評価方法により異なるものの、砂糖の主成分であるスクロースに比べ800〜2,000倍の甘さを持つとされています。
Oobliの創業者でCTO(最高技術責任者)のJason Ryderは、製品ポートフォリオへの新たな追加により「世界中の企業が、味を損なうことなく砂糖の使用を減らせるようになる」とコメントしました。
同社は今年3月、西アフリカに自生するニシアフリカイチゴの果実に含まれる甘味タンパク質のブラゼインについても、同じ認可を取得しています。
来年はより多くの製品発売に期待
Oobliによると、複数の甘味タンパク質を生産する精密発酵プラットフォームを開発し製品の認可を得ている企業は、同社が唯一。現在、4種類の甘味タンパク質を開発しており、いずれもGRAS自己認証の取得で販売が許可されています。
同社の甘味料は、多くの食品・飲料に含まれる砂糖の70%以上を代替することができ、血糖値や腸内細菌叢にも悪影響を及ぼさないため、より健康的な選択肢を提供することが可能です。
微生物の発酵により生産されることから、従来のサトウキビ栽培に比べて土地や水の利用、CO₂排出が少なく、持続可能性が高いことも魅力。
Grupo Bimbo(メキシコ)などの大手食品企業も、同社との協力により砂糖の代替品を自社製品に組み込もうと計画しており、2025年には多くの製品発売が期待されます。
Oobli自身も、精密発酵甘味タンパク質を使用したチョコレートとアイスティーの製品ラインを保有。同社のウェブサイトやアマゾンで販売されているほか、今年9月には日本航空(JAL)のサンフランシスコと東京を結ぶ国際線にも導入されました。
参考記事:
Oobli Gains FDA Nod for Sweet Protein Monellin, Expands Portfolio of Zero Glycemic Impact Sweeteners
Oobli’s monellin determined GRAS
Oobli receives ‘no questions’ letter for monellin | Food Business News
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