ベゾス・アース・ファンドが英ICLに代替プロテインセンターを開設、米国に続き2カ所目
アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが100億ドル(約1兆6,100億円)の資金を拠出して2020年に設立したベゾス・アース・ファンド(Bezos Earth Fund)が、インペリアル・カレッジ・ロンドン(以下、ICL)に2カ所目となる代替プロテインのハブを開設しました。
構想発表から3カ月で2カ所目の設置
ベゾス・アース・ファンドは、「食料システムの変革」に10億ドル(約1,600億円)を投じるとしたコミットメントの一環として、今年3月に代替プロテインのセンター設立に投資する構想を発表。
当初、代替プロテインに割り当てられた額は6,000万ドル(約96億5,000万円)でしたが、現在は1億ドル(約160億円)にまで拡大されています。
先月、ファンドは米国のノースカロライナ州立大学に、最初の「Bezos Center for Sustainable Protein」を開設。カーギルやジボダンなど大手のほか、Believer MeatsやWild Earth、Jellatechなどのスタートアップ企業と提携しています。
今回英国に新設する、ICLの7つの学部にまたがった2つ目のセンターでは、ノースカロライナのケースと同様、5年間で3,000万ドル(約48億2,000万円)の投資を行うとしました。
このハブは英国内に3つ、海外に3つの「スポーク」を持ち、76以上の国際的パートナーとともに研究、イノベーション、商業化を推進。また、研究成果を実社会での応用につなげるための実証施設、次世代のバイオエンジニアを育成する教育施設も併設される予定です。
3カ所目は東南アジアに開設を予定
世界全体の排出量の最大20%を占めているともいわれる畜産業。畜産が利用する土地面積は全農地の77%を占めているにもかかわらず、これにより供給されるカロリーは全体のわずか18%、タンパク質では37%にすぎません。
ベゾス・アース・ファンドもこのギャップを強調しており、2050年には世界人口が100億人に近づくと予想されていることを考えると、代替プロテインの確保は急務といえるでしょう。
ICLの学長を務めるHugh Bradyは、「食料安全保障は、人類が直面する最大の課題の一つ。持続可能な未来のためには、生物多様性、気候、自然環境への影響を最小限に抑えながら、世界中の人々が十分な栄養を摂取できるようにする必要がある」とコメント。
ICLは英国政府が推し進める工学生物学(engineering biology)の分野で先駆的な取り組みを進めており、「持続可能な代替プロテインを前進させるのにうってつけの場所」だとしています。
ベゾス・アース・ファンドのAndy Jarvisが『Green Queen』に語ったところによると、3つ目のセンターは東南アジアに開設する予定とのこと。数週間以内に発表を予定している様子です。
参考記事:
Bezos Center for Sustainable Protein Launches at… | Bezos Earth Fund
Bezos Earth Fund Opens Alternative Protein Hub at Imperial College London, With Next Centre Set for Asia
この記事へのコメントはありません。