イタリアのKelpEatとSolar Foodsが提携し、微生物タンパク質「Solein」入りの海藻スナックを発表
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イタリアのフードテック企業KelpEatと、微生物タンパク質を開発するフィンランドのSolar Foodsが提携を実施し、「Solein」を使用した高タンパク海藻スナックを発表しました。
イタリアに続き米国でも紹介予定
この海藻クラッカーは、EUで養殖された乾燥昆布とSolar Foodsのタンパク質原料「Solein」で作られており、必須アミノ酸すべてにわたる35%以上のタンパク質含有量を誇ります。
さらには、Soleinと昆布は味と栄養の面で自然に補完し合うものだといい、ビタミンB12とB9、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルや、抗酸化物質も含まれているとのこと。
海藻のスペシャリストであるKelpEatは、2月8〜10日までイタリア・フィレンツェで開催された食品見本市「Pitti Taste」でこの新製品を披露しました。今後、米国市場の消費者にも同じ製品を紹介する予定です。
CEOのLuca Cerrutiは、「Soleinを用いることで、完全な栄養、環境への責任、食料主権の実現を果たす真に破壊的なイノベーションを生み出せるようになる」とコメントしています。
健康&パフォーマンス栄養市場をターゲットに設定
Soleinは、Solar Foods独自のガス発酵プロセスにより、空気と電気を主な投入資源として生産されるもの。広大な土地を利用せず、天候や気候の条件にも左右されない生産が可能です。
この原料はシンガポールで2022年に新規食品の認可を、米国で昨年GRAS(Generally Recognized As Safe)自己認証を受け、市販化に成功。2021年に新規食品の申請を行ったEUでも安全性審査が進められており、2026年には認可が取得できるものと見込んでいます。
Solar Foodsは昨年開設した「Factory 01」に加え、2箇所目の工場として計画中の「Factory 02」についてもプレエンジニアリングを開始し、第1フェーズは2028年の稼働開始を目指しているといいます。
同社は昨年末、グローバルな事業成長戦略の実行にあたり新規タンパク質の商業化に重点を置き、まずは健康&パフォーマンス栄養市場をターゲットとする方針を打ち出しました。
CCO(最高商業責任者)のJuan Manuel Benítez-Garcíaは、「Soleinは、既存の消費者向け製品にシームレスに適合し、人々が慣れ親しんだ味はそのままに、環境への影響を最小限に抑えながら、タンパク質やその他の栄養素を加えることができるものだ」とコメント。
「KelpEatが紹介した製品は、Soleinが高タンパク製品やヘルシースナックの分野でも優れた性能を発揮できることを示す好例だ」と述べています。
参考記事:
KelpEat introduces Solein®-powered protein snacks – Solar Foods
KelpEat teams up with Solar Foods to introduce seaweed snacks with Solein protein | FoodBev Media
Solar Foods initiates Factory 02 pre-engineering with targeted operational start in 2028 – Solar Foods
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