ハイブリッド肉製品の市場化を目指すMosa Meat、英国で培養牛脂の認可申請を実施

培養肉開発を手掛けるオランダの企業Mosa Meatが、最初に製品化を目指している培養脂肪原料について、英国の規制当局へ認可申請を行ったと発表しました。

サンドボックス制度への参加で市場化を狙う


ロンドンで世界初の培養ハンバーグを発表してから12年、英国での培養牛脂発売に向け、Mosa Meatは英国食品基準庁(FSA)への認可申請を行いました。

同社は今年3月、FSAが推し進める「サンドボックス」制度の一環として始まった培養肉の安全性評価プログラムに参加。

この制度には、英国企業のHoxton FarmsUncommon Bioに加えて、フランスのVital MeatやオーストラリアのVowなど計8社が参加しており、科学者や学術機関とも協力して現行の規制枠組みを見直し、培養製品の市場化を早める狙いがあります。

FSAはプログラムの立ち上げに際し、2年間の期間中に少なくとも2つの製品を認可する目標を示しました。すでに英国で認可申請を行っているのはGourmeyVital MeatIvy Farm TechnologiesAleph Farmsの4社ですが、Mosa Meatの培養牛脂も同じく2027年までに市場に投入される可能性が出てきています。

CEOのMaarten Boschによると、社内の食品安全チームがFSAとの事前協議を行い、そのフィードバックを得て書類提出を完了できたとのこと。

同社は今年初めに、欧州食品安全機関(EFSA)スイス連邦食品安全獣医局(FSVO)にも申請を実施済み。以前から認可待ちとなっているシンガポールを含めて、4つの規制当局に申請を行っています。

投資家からの高い注目度を維持


Mosa Meatは、食肉が持つ風味と食感を忠実に再現するべく、細胞培養により生産した脂肪を最初の開発ターゲットに設定。

培養脂肪と植物由来の原料を組み合わせたハイブリッド肉製品の実現を目指し、主に培地の改良による生産コストの低減を図るとともに、世界最大級の培養肉工場を設置して規模拡大に努めてきました。

昨年には、オランダ本社に畜産農家や業界関係者を集めて試作品の公開試食イベントを開催。改良した製品で再度試食イベントを行う認可申請も進めているといいます。

ベンチャーキャピタルからの培養肉業界への投資が顕著に減少している中ですが、昨年は応募超過となったラウンドで4,000万ユーロ(約65億円)という大金を確保

今年始めたクラウドファンディングでは目標額の150万ユーロ(約2億4,400万円)をわずか24分で達成し、最終的に1,600人以上の投資家から計370万ユーロ(約6億200万円)の調達に成功しました。

参考記事:
Dutch Startup Mosa Meat Files for UK Regulatory Approval of Cultivated Beef Fat
Mosa Meat requests UK market authorisation for cultivated beef fat | News | The Grocer

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