独BLUUが魚類細胞の培養を工業規模にまで拡大、パーソナルケア分野での商業化を目指す

ドイツ・ハンブルクに拠点を置くスタートアップ企業BLUUが、オランダのCultivate at Scaleと提携して、魚類細胞の培養を1,000リットル規模にまで拡大しました。パーソナルケア分野を最初のターゲットに、商業化を狙います。
世界初、バイオリアクターで魚類細胞の回収に成功
この画期的な成果は、培地、細胞株、バイオリアクターを扱う大手サプライヤーの支援を受けて細胞農業の規模拡大を支援するCultivate at Scaleが、オランダ・マーストリヒトに構える工場で達成されました。
BLUUがニジマスおよびアトランティックサーモンの細胞培養に関する専門知識を、Cultivate at Scaleがバイオリアクターをはじめとした大規模生産用のインフラをそれぞれ提供する形で、海洋由来成分の培養生産を行うプラットフォームを共同で構築。
今回、1,000リットルのバイオリアクターでニジマス細胞の培養・回収を成功させました。この規模のバイオリアクターで魚類細胞の回収に成功した企業はほかになく、世界初の快挙だと両社は主張しています。
Cultivate at Scaleとの長期的なパートナーシップは、BLUUの地域に根ざした生産戦略の一環であり、欧州のその他の市場への展開の可能性を切り開くものです。
Cultivate at Scaleの代表を務めるJaco van der Merweは、「この共同プロジェクトは欧州における細胞培養のマイルストーンであり、当社にとっても重要な一歩だ。また、ドイツ・オランダ両国の協力の好例といえるだろう」とコメントしました。
同社は2025年の初めにオランダの培養肉企業Mosa Meatからスピンオフし、政府の国家成長基金と民間投資家からの2,500万ユーロ(約46億7,000万円)の資金提供を受けて事業を開始したところです。
パーソナルケア業界へのB2B供給を目指す
BLUU(旧称:Bluu Seafood)は、創業当初は培養シーフードの商業化を目指していましたが、食品分野における認可取得には多大な時間を要することから、より市場参入の容易な健康・美容分野へと昨年事業領域を広げました。
同社でマーケティングと広報を担当するCornelius Lahmeは、「当社のコアとなる専門知識は魚の体外で細胞を培養する技術にあるが、これらの細胞はさまざまな用途に利用できる」と説明。
事業拡大に伴い新たに立ち上げた「BLUU Skincare」ブランドで医薬品グレードの生物活性成分を、「BLUU Health」ブランドで複数の効能を持つオールインワンの海洋バイオ製品の開発に取り組んでいます。
提携するCultivate at Scaleの施設を利用することで、自社の生産プロセスの柔軟性と安定性の実証が可能に。生産規模を拡大させられれば、さらなる技術開発を加速させ、ひいては大幅なコスト削減につながると期待できます。
Lahmeによると、BLUUは現在、パーソナルケア業界向けの原料メーカーとしての事業展開を目指しているとのこと。それに向けて、まずは安全性と有効性を実証するための研究に取り組んでいる最中だといいます。また、事業規模の拡大に活用する資金を得るべく、次の調達ラウンドも進行中です。
参考記事:
BLUU | LinkedIn
Bluu Reaches Industrial Production of Cultivated Fish Cells for Personal Care & Seafood
BLUU and Cultivate at Scale launch Europe’s first industrial platform for cell-cultured marine ingredients | PPTI News
BLUU and Cultivate at Scale produce fish cells at 1,000-liter scale in Europe | Newswire | Protein Report


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