独AMSilkが、欧州味の素食品との長期契約締結で精密発酵シルクの専用生産ラインを確保

ドイツのバイオマテリアル企業AMSilkが、シルクタンパク質の生産を実証段階から商業化段階へと移行させるため、欧州味の素食品(Ajinomoto Foods Europe)と長期の生産・供給契約を締結しました。
年間数百トンを超える生産量への成長を目指す
AMSilkが精密発酵技術を用いて開発しているシルクタンパク質は、従来の動物由来素材などに代わる新素材として、繊維、自動車、医療、消費者向け製品といった幅広い分野に供給されています。
アディダスのコンセプトシューズやメルセデス・ベンツのコンセプトEVに加えて、今年初めにはバレンシアガのコレクションに採用され、ファッション業界への進出を果たしました。
フランスに拠点を置く味の素グループ会社との契約締結は、両社が2023年に開始した協業関係をさらに発展させるものです。
欧州味の素食品の社長を務める金子弘氏は、今回の事業拡大は受託製造パートナーとしての同社の地位を示すものとコメント。
「当社の産業インフラと、精密発酵や下流工程における専門知識を生かすことで、AMSilkのシルクタンパク質を効率的に商業規模へと拡大し、年間数百トン、さらにはそれ以上の生産量へと成長していく支援体制を整えている」と語りました。
戦略的な立地に専用ラインを確保
本契約に基づき、欧州味の素食品はフランス北部に構えるバイオ製造拠点にて、AMSilk専用の生産ラインを構築。16万リットルの容量を持つ発酵タンクと、AMSilkの独自プロセスに合わせてカスタマイズされた下流の精製・加工工程を組み合わせます。
AMSilkによると、この拠点の立地はサプライチェーンの効率化と競争力のあるコストの実現に寄与するほか、「メイド・イン・フランス」という顧客への訴求力も得られると期待。ここではまた、現地調達した原材料や再生可能エネルギーが活用される予定です。
両社は本プロジェクトを、設備の導入・設置や施設の改修を含む数百万ユーロ規模の共同投資と説明しており、シルクタンパク質の商業生産に向けて認証取得なども進める計画。将来的な生産能力の増強についての内容を契約に盛り込み、供給の安定性強化を見込んでいます。
AMSilkは、複数の生産拠点にわたってシルクタンパク質の規模を拡大する取り組みの一環として、エボニック(Evonik Industries)および21st.BIOとの製造パートナーシップも拡大してきました。
先月AMSilkの新CEOに就任したChristian Wichertは、「次の成長フェーズへと移行する中で、生産能力の拡大は最優先事項だ。製造に関する豊富な専門知識を有し、欧州の中心部に戦略的に位置する欧州味の素食品は、この成長を支える理想的なパートナーであり、専用ラインを確保することは、当社の技術を持続可能な商業的成長へとつなげるための重要な一歩となる」と述べています。
参考記事:
AMSilk | LinkedIn
AMSilk Locks In Dedicated Production Line With Ajinomoto Foods Europe
AMSilk to scale bio-silk production – Knitting Industry


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