PolybionとNatural Urbanoが、バクテリアセルロースを用いたオーダーメイド照明「Cenit」を共同開発

メキシコ発のバイオマテリアル企業Polybionが、農業や食品加工から出る果物の残渣を餌としてバクテリアに与え、培養によって生成されるセルロース素材「Celium」を用いた照明シリーズの第2弾を発表しました。
新たな用途でバクテリアセルロースの可能性を示す
「Celium」は当初、ファッション、スポーツウェア、自動車産業向けの代替レザー素材として開発され、2024年に製品化されました。
この素材のベースは、細菌が果物に含まれる糖分を代謝する際、副産物として作り出すセルロース。その後、レザーと同様のなめし工程を経て安定化処理が施され、最終的にシート状の製品に仕上げられます。
生産は、原料を供給する果物加工業者の拠点に近いメキシコの工場で、太陽光発電から得たエネルギーを用いて行われています。

Polybionはこのたび、デザイン事務所Natural Urbanoと「Cenit」シリーズを共同開発。当初の用途を超えて活用が進み始めている、動物性素材や石油由来素材の代替となるバクテリアセルロースの可能性を示しました。
家具や照明器具には、ハンドバッグやジャケットとは異なる要件が求められます。バクテリアセルロースを一部に使用したランプには、構造を維持するだけの強度や耐久性、そして光を均一に拡散させる機能が不可欠であり、細菌が作り出すこの新素材が、単なる表面を覆う材料としてではなく、製品の機能的な構成要素として通用するかが試されています。
「Cenit」は、半透明の「Celium」の層を、積層構造のアッシュ材やステンレスのディテールと組み合わせたデザインで、ペンダントランプとテーブルランプの2タイプが受注生産の対象となります。
セルロースのシートにはそれぞれの成長過程で自然な個体差が生じるため、全く同じものは二つとして存在しません。この特性は排除すべき欠陥ではなく、デザイン上の魅力とされています。
さまざまな空間に溶け込むデザインで、展開の幅を拡大
今回の両社のコラボレーションは、Polybionのインテリアデザイン分野への初進出を飾った、彫刻のようなランプ「Lapso」に続くものです。
この作品は、昨年秋のロンドン・デザイン・フェスティバル期間中に開催された、Biofabricate主催の「The Biofab Fair」で発表されました。
「Lapso」が単体のコレクターズアイテムであったのに対し、「Cenit」は素材の可能性を広げ、住宅、スタジオ、ホテル、レストランといったより幅広い空間に対応する照明シリーズとして展開されます。
Polybionの創業者で共同CEOを務めるAlexis Gómez Ortigozaは、「Celiumのより親しみやすく汎用性の高い側面を提示するもの」と説明。「素材の革新を核としつつも、独自性と実用性のバランスを取り、空間に自然に溶け込むようなフォルムへと落とし込んでいる」と述べています。
参考記事:
Polybion and Natural Urbano Turn Bacteria-Grown Cellulose Into Made-to-Order Lighting With Cenit
This design studio spent 10 years perfecting a lampshade made out of bacteria – Fast Company


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